妊娠初期におこなう血液検査

□血液型の確認
 ABO式とRh式の両方をおこないます。血液型の証明書をもっていたり、2回め以降の分娩(ぶんべん)では前回検査しているので、省略する場合もあります。

□B型肝炎
 B型肝炎のウイルス(抗原)をもっていると、ほとんどは分娩時に赤ちゃんに感染することが予想されるため、新生児に免疫(めんえき)グロブリンやワクチンを接種します(公費負担)。

□梅毒
 感染して間もない早期梅毒であれば妊娠中に治療すれば胎児に影響しませんが、感染してから1年以上たった後期梅毒の場合には、妊娠中に治療を開始しても30%の胎児に先天梅毒を起こすので、妊娠前からの治療が大切です。

□貧血
 血液中にある酸素を運ぶはたらきのある血色素を測定します。初期だけでなく、中期・後期にも検査します。

□風疹の抗体検査
 妊娠初期にはじめて風疹(ふうしん:三日はしか)にかかると、胎児に異常(白内障、難聴、心奇形)が出る可能性があるため(先天性風疹症候群)、風疹抗体を検査します。

【参照】感染症:梅毒先天性風疹症候群

(執筆・監修:恩賜財団 母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院 産婦人科 部長 竹田 善治)
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