妊娠初期(3カ月まで)の診察と必ず受ける検査 家庭の医学

□体重の測定
 胎児はまだ小さいので、母体の状態、つまり、つわりによる体重減少の度合、栄養状態、肥満、むくみをみるため測定します。

□尿の検査
 尿中のたんぱく質と糖の検出。尿たんぱくは腎臓機能の障害を示します。妊娠高血圧症候群の早期発見のための検査ですが、この時期から妊娠高血圧症候群ということはほとんどありませんので、以前からなんらかの腎障害をもっている場合が考えられます。ただ、膀胱(ぼうこう)炎や腟分泌物の混入でも検出されることがあります。尿糖は、糖尿病の早期発見のために調べます。糖尿病や妊娠糖尿病は、母子に異常をひき起こすことがあり厳重な管理が必要となるためです。

□血圧の測定
 妊娠高血圧症候群の早期発見のための検査ですが、この時期から高い人はもともと高血圧の場合が多いのです。

□内診
 子宮の大きさや子宮口の状態を調べ、そのほかの内外性器に異常がないかをみると同時に、経腟(けいちつ)超音波検査で胎児の成長を観察します。

(執筆・監修:恩賜財団 母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院 産婦人科 部長 竹田 善治)
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