美容外科・美容皮膚科とは 家庭の医学

解説
 美容外科とは、からだの形態や老化に対して外科的治療をおこない、外見を美しく改善させる形成外科の分野です。いっぽう、美容皮膚科は皮膚のしみやしわ・たるみなどの治療をおこなっており、レーザーや外用薬など手術以外の治療手技を用います。
 美容外科・美容皮膚科の対象は先天性疾患や外傷などの「病気」ではありませんので、原則的に保険適用外です。したがって、美容外科・美容皮膚科の治療を受ける際には、治療の内容や費用などについて十分に説明を受けることが大切です。

■最近の傾向
 手術などの外科的治療では、治療後の腫(は)れや赤みなどが少なからず起こります。また、外見の急激な変化を気にする患者さんもふえてきました。このような理由から、2000年以降はレーザー治療、外用薬の治療、注入療法などが好んでおこなわれるようになりました。
 近年では医療技術の進歩に伴って、新しい治療法が美容外科・美容皮膚科の分野にも導入されています。これらの治療法のなかには、有効性や合併症などに関する医学的な検証が十分におこなわれていないものも含まれています。また、高額な治療も少なくありません。
 この「美容外科・美容皮膚科」の各項目では、診療ガイドラインや論文に掲載されており、ある程度の有効性が示されている治療法を紹介します。

(執筆・監修:埼玉医科大学 教授〔形成外科・美容外科〕 時岡 一幸)