厚生労働省は26日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会に、自営業者らが加入する国民年金について、出産後の育児期間中の保険料を免除する制度を設ける案を提示した。子育て世帯の負担軽減が狙い。同部会での議論を踏まえ、早ければ来年の通常国会での関連法改正案提出を目指す。
 政府が今月決定した「こども未来戦略方針」は、多様な働き方と子育ての両立を後押しするため、自営業者やフリーランスに対する育児期間中の経済的支援の強化を明記。会社員が加入する厚生年金には既に育児休業中の保険料免除制度が設けられており、国民年金でも従来の出産前後4カ月間に加え、育児中の一定期間も免除を受けられるようにする。
 厚生年金では、子どもが最長3歳になるまでに取得した育児休業の期間が免除の対象。休業前の給与水準に応じた年金給付が保障されている。
 国民年金の場合は、加入する自営業者らの「休業」を把握するのが難しいため、免除の対象となる人の範囲や期間が論点となる。厚生年金と同様に、両親ともに免除を認めるかどうかなどを含め、厚労省は具体的な制度設計を進める。
 国民年金の2023年度の保険料は月1万6520円。出産前後の保険料免除を受けている加入者は現在、年数万人程度と見込まれている。 (C)時事通信社