【シドニー時事】オーストラリア上院は27日、豪政府がカタール航空の増便申請を却下した問題を巡り公聴会を開いた。この中で、豪最大手カンタス航空のハドソン最高経営責任者(CEO)は「新型コロナウイルス禍からの市場の回復が重要だ」と述べ、カタール航空増便に反対を表明。政府の決定前に反対の意見書を提出していたことも認めた。
 カンタスは他に、欠航便のチケット販売や地上職員の違法解雇など不祥事が続いている。操縦士組合から辞任を要求されているゴイダー会長は公聴会で、「大株主は私の続投を支持している。株主と取締役会からの信頼がある限り、私は職務を全うするつもりだ」と述べ、辞任を否定した。 
 一方、豪州路線の増便を阻止されたカタール航空のラオス上級副社長は「国外へ渡航するのに運賃を払い過ぎている豪国民や、豪州を訪れようとしている世界の人たちの利益にならない」と述べ、豪政府の決定に不満を示した。(C)時事通信社