愛知県豊橋市が運営する特別養護老人ホーム「つつじ荘」で一部の入所者をロビーで生活させ、間仕切りを設けずにおむつ交換をしていた問題で、市は11日、高齢者虐待防止法で定める性的虐待に当たると認定したと発表した。預かり金の無断流用やおむつ交換を怠る介護放棄があったことも新たに判明し、市は1カ月以内に改善計画書を提出するよう施設に求めた。
 市によると、施設は今夏と昨夏、居室3室のエアコンが故障したため、男女計7人を数週間、廊下に面したロビーで寝起きさせた。市はベッドを移したのはやむを得ない対応だったとしたが、間仕切りなしでおむつ交換したことは性的虐待と認定した。
 2018年以降、入所者から生活費として預かった現金を無断で他の入所者の病院代などに一時流用していたことも判明。計152人が被害に遭い、市は経済的虐待に当たるとした。
 昨年3月には、紙おむつや尿漏れパッドが不足したため、計55人に必要なおむつ交換をせず、紙おむつの一部を切り取ってパッド代わりに使用していた。 (C)時事通信社