2023年版の自殺対策白書では、小中高生の自殺者が過去最多の514人になった。新型コロナウイルス感染が流行した20年以降、児童生徒の自殺者数は増加傾向にある。学校の現場では自殺リスクが高まる前に支援につなげようと、児童生徒に1人1台配備された情報端末を活用した心身の状況把握などが行われている。
 白書では、千葉大と連携してウェブ上で高校生に対しストレスチェックを実施している千葉県教育委員会の取り組みを紹介。心身の不調やストレスの原因、周りからの援助の三つのカテゴリーから、40問程度を尋ね、45点中30点以上を「高ストレス」と判定する仕組みで、学期ごとに行っている。
 回答した約1万7000人のうち12.9%が高ストレスと判定されたといい、必要に応じて医療機関や児童相談所につなげるほか、希望があれば教員との面談の機会も設けている。
 政府も子どもの自殺対策に重点的に取り組んでいる。昨年10月に閣議決定した新たな自殺総合対策大綱には、学校や地域の支援者が連携し、自殺対策に当たる仕組みを構築することを強化ポイントに挙げた。 (C)時事通信社