こども家庭庁は2024年度から、児童養護施設に入所している子どものスマートフォン代や習い事の月謝として、1人当たり月5000円を施設に支給する方針を固めた。スマホが授業や部活の連絡に使われることも多いため、学校生活に必要なお金と判断した。国などが施設に支払う経費を増額するとともに、施設が子どものスマホ代や習い事に使えるよう制度改正する。
 児童養護施設は虐待を受けた子らが入所する。22年3月時点で全国に610カ所あり、約2万3000人が暮らす。施設には、子どもの生活費や医療費、給食費、学習塾費といったお金のほか、学用品などに使う経費として小学生に月2210円、中学生に月4380円、高校生に最大で月3万4540円が支給されている。こども家庭庁は、それぞれ5000円増額する方針だ。
 現行制度では、学用品などの経費について、小中学生はスマホ代や水泳、ピアノといった習い事に使えない。高校生はスマホ代に使えるが、習い事には充てられない。こども家庭庁はこうしたルールを見直し、スマホの購入費や使用料、習い事の月謝に使ってもよいと定める。
 こども家庭庁によると、スマホ代が月5000円を超えても構わないが、学用品などに使う経費の全額をスマホに費やすことは想定していない。また、スマホを主に学習目的で使用するよう施設に求める方針だ。
 内閣府の調査によると、22年度時点の子どものスマホ利用率は小学生60%、中学生87%、高校生97%。 (C)時事通信社