処方箋なしで例外的に医療用医薬品を販売する「零売(れいばい)薬局」を巡り、国の通知を逸脱した不適切販売が行われているとして、厚生労働省は規制を強化する方針を固めた。18日に検討会を開き、販売を認める条件を法令で定めるなど対応策をまとめる。
 医療用医薬品は副作用のリスクがあることから、医師の診断を経て、原則として処方箋に基づいて販売される。一部の医療用医薬品は例外的に処方箋なしでも販売できる場合があり「零売」と呼ばれる。
 同省は通知で零売について、大規模災害で医師の受診が困難など「正当な理由」に加え、市販薬では対応できないといった「やむを得ない場合」に限って認めてきた。
 しかし、一部の零売薬局が「処方箋なしで病院の薬が買えます」などと通知で不適切とする広告を出していたことが判明。薬の効能・効果にない表現を用いて販売したり、医療用医薬品とビタミン剤を「美肌セット」と称して売ったりしたケースもあったという。
 クーポンを配るなど日常的に医療用医薬品を取り扱う店舗もあり、厚労省幹部は「SNSを使った広告が増加の背景にあるのでは」と話す。
 事態を重く見た厚労省は2月、対策に向けた検討会を発足。会合では、日本零売薬局協会から「受診するよりもお得ですといった、不適切な表現をする事業者がいることも事実」との説明があり、委員からは「不適切な販売が広がるのは問題」との声が上がった。
 このため、同省は医療用医薬品について、処方箋に基づく販売を原則とした上で、「やむを得ない場合」に限って認めることを法令で明記。さらに、具体的なケースとして「服用中の薬が不測の事態で手元になく診療も受けられない」「流行拡大に伴う需要の急増などで保健衛生が脅かされる事態」などを挙げ、販売できる量は数日分程度の「最小限度」とする条件も設けることにした。
 医療用医薬品の販売を強調する広告も禁止する方向で調整しており、同省は検討会の議論を踏まえ、関係法令を改正する方針だ。 (C)時事通信社