能登半島地震で孤立した地区から救助された避難者らも身を寄せる石川県加賀市内の避難所の一つで、カーシェアリング支援が行われている。孤立地区からは自宅に車を残し、ヘリコプターやバスで避難してきた人たちも多く、利用者らからは「助かる」「移動の選択肢が広がる」などの声が上がっている。
 孤立した住民がヘリとバスで加賀市に逃れた輪島市大沢町の自治会長、大箱洋介さん(75)は「近いところなら歩けるけれど、足の不自由な人もいる。乗り合いもできて助かるのではないか」と話す。
 避難所では日用品の購入などができる商業施設への巡回バスが無料で運行されている。運行は3~4日に一度のペースで、車を自宅に残してきた輪島市の臨床検査技師、中嶋あゆみさん(31)は「バスは運行日が決まっているので、選択肢が広がる」と話し、カーシェア利用のための手続きをしていた。
 県は、医療機関の受診や行政手続きで外出する際などでの利用を想定しており、状況を見ながら、配備先の拡大を検討するという。
 カーシェアは県の避難者支援のモデル事業で、3台が加賀市の旅館「みやびの宿 加賀百万石」に配備された。この旅館への避難者のみが利用でき、タイムズモビリティが展開するカーシェアサービス「タイムズカー」のアプリに登録すれば、1年間無料で運転できる。 (C)時事通信社