自然・環境

真夏を迎える前に、体を暑さに慣らすことで対策を!2023年「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線(第2回)」を公開

「熱中症ゼロへ」プロジェクト
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクト(以下、本プロジェクト)は、本格的な暑さを迎える前から体を暑さに慣れさせること(暑熱順化:しょねつじゅんか)の大切さについて広く知ってもらうことを目的に、各地域で暑熱順化が必要なタイミングの目安となる「熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線(第2回)」(https://www.netsuzero.jp/le15-zensen)を、本プロジェクト公式サイトで 2023年6月15日(木)に公開します。





前線の情報


沖縄地方の「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線」は6月中旬です。九州地方は6月中旬~6月下旬、四国、近畿、北陸地方では6月下旬となっています。中国、東海、関東、東北地方では6月下旬~7月上旬、北海道地方では7月上旬となりそうです。この時期を目安に、暑さに体を慣れさせることを意識した動きや生活を行うことをおすすめします。



「暑熱順化」の大切さについて


体を暑さに慣れさせることを「暑熱順化」と言います。暑熱順化には個人差もありますが、数日から2週間程度かかるといわれています。しかし一度暑熱順化ができていても、数日暑さから離れると暑熱順化の効果は薄れてしまいます。梅雨で雨が降り気温が下がると、それまでに暑熱順化した体も元に戻ってしまう可能性があります。

本プロジェクトでは4月6日(木)に「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線(第1回)」を公開しています。今後、いまいちど暑熱順化の大切さについて広く知ってもらうことを目的に、「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線(第2回)」を作成しました。各地域で暑熱順化が必要なタイミングの目安としてご活用ください。

熱中症対策には無理のない範囲で暑熱順化をするための動きや生活を続けることが大切です。また体の調子を整えるだけでなく、エアコンの点検や試運転、暑さ対策に必要な持ち物の確認など、本格的な夏に備えた対応も一緒に始めましょう。



「熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線」について


「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線」は、軽い運動や湯船につかる入浴で意識して汗をかくなど、体を暑さに慣れさせる暑熱順化を始めるタイミングの目安を示しています。暑熱順化ができていないと、体の熱をうまく外に逃がすことができず、熱中症になる危険性が高まります。

梅雨の晴れ間や梅雨明け後など、体が暑さに慣れていない状態で急な暑さを迎えるタイミングでは熱中症に特に注意が必要です。2022年は7月中旬から下旬にかけて各地で梅雨明けし、梅雨明け後の救急搬送者数は、前週の約1.6倍に増加しました。(参考資料参照)

また今年の5月1日~6月4日の救急搬送者数(速報値)は昨年を上回っており、真夏に向けてますます注意が必要になってくる時期です。

■日常生活でできる暑熱順化をするための動きや生活

暑くなる前からできる熱中症の対策には、暑さに強い体づくりがあります。暑さに強い体を作るためには、バランスの良い食事や十分な睡眠以外に、「暑熱順化」をすることも大切です。日常生活の中では、運動や入浴以外でも、帰り道に1駅分歩いたり、少し遠くまで徒歩や自転車で買い物に行ったり、普段はエスカレーターやエレベーターを使うところを階段で上り下りしたり、身近な方法で軽く汗をかくことができます。個人の体質や体調に合わせて、無理のない範囲で取り入れてみてください。

「熱中症ゼロへ」プロジェクトでは、2021年から公式サイトにて「暑熱順化」のコンテンツ(https://www.netsuzero.jp/learning/le15)を公開しています。暑熱順化の詳しい内容や、自分の暑熱順化がどの程度進んでいるかを確認できる「暑熱順化チェック」、印刷して暑熱順化の知識を深めることができる「暑熱順化ポイントマニュアル」も掲載しています。



この先の気象傾向


日本気象協会所属 気象予報士/防災士/熱中症予防指導員 久保智子

7月中旬頃にかけて、気温は平年より高い所が多いでしょう。その後、8月にかけて、気温は東日本や西日本で平年並みか高く、沖縄・奄美は平年より高い見込みです。
梅雨の時期は、曇りや雨でも湿度が高く、蒸し暑い日が多くなりそうです。体の中に熱がこもらないように、衣服は綿や麻など通気性の良い素材を選ぶと良いでしょう。また、梅雨明け後は、厳しい暑さとなり、猛暑日(最高気温が35℃以上の日)の頻度も多くなる見込みです。屋外での運動や長時間の作業は、日陰など涼しい場所で適度に休憩をとり、たくさん汗をかいたら、水分だけでなく塩分も適切に補給するなど、万全の熱中症対策が必要です。本格的に暑くなる前から、暑熱順化のための運動や活動を行い、暑さに備えることが大切です。



参考資料|昨年の梅雨明け前後の振り返り


2022年の梅雨明けは、沖縄(6月20日)・奄美地方(6月22日)を除く各地で7月22日から7月26日となりました。消防庁による熱中症救急搬送者数は、各地が梅雨明けした週(7月22日~7月28日)の5,760人から、梅雨明け後の週(7月29日~8月4日)には8,931人と、約1.6倍に増加しました。

関東甲信地方の梅雨明けは7月23日ごろでしたが、東京の梅雨明け前後の2週間の熱中症による救急搬送者数を比較すると、梅雨明け前(7月9日~7月22日)は588人だったのに対し、梅雨明け後(7月23日~8月5日)は1,201人と約2倍となりました。


■「熱中症ゼロへ」プロジェクトとは
熱中症にかかる方を減らし、亡くなってしまう方をゼロにすることを目指して、一般財団法人 日本気象協会が推進するプロジェクトです。プロジェクト発足以来、熱中症の発生に大きな影響を与える気象情報の発信を核に、熱中症に関する正しい知識と対策をより多くの方に知ってもらう活動を展開してきました。2013年の活動開始から10年となる今シーズンは「必要な人に、適切なタイミングで、わかりやすく」をテーマに、激甚化する気象環境や変化する社会のニーズをとらえた熱中症の予防啓発活動を実践していきます。


■一般財団法人 日本気象協会について
日本気象協会は、民間気象コンサルティング企業の先駆けとして1950年に誕生しました。防災・減災や洋上風力発電の分野以外でも、気象データを活用した商品需要予測や電力需要予測、気候変動対策などのコンサルティングを通じ、気象データのビジネスでの利活用を提案しつづけています。所属する気象予報士の数は350人を超え、日本最大級の規模を誇る気象の専門家集団として企業のESG投資やSDGs活動への支援も積極的に展開中です。
・「熱中症ゼロへ」のロゴマークは日本気象協会の登録商標です。
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