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【株式会社シーディーアイ】×【沼津市】人工知能(AI)を基幹型地域包括支援センターに導入による成果

株式会社シーディーアイ
株式会社シーディーアイ(代表取締役社長 濱岡 邦雅 本社:東京都中央区 以下「CDI」)が開発した「人工知能(AI)を搭載したケアマネジャー向けケアプラン作成支援システム」である『SOIN(そわん)』を、2022年4月より沼津市内の基幹型地域包括支援センターに導入しておりますが、AIの活用方法やケアプラン作成の考え方に対する変化などをインタビュー形式にてご紹介します。


『SOIN』というAIの導入により、現場のケアマネジャーがご利用者の将来の状態像を数値化して明確に把握することで、今後の状態変化をより具体的にイメージすることが可能となるだけではなく、課題分析支援機能によりどのような介護サービスの提供がご利用者の状態改善につながるか、イメージがしやすくなります。
また、本年6月のバージョンアップにより「適切なケアマネジメント手法の策定、普及推進」の実務への落とし込みを意識して、基本ケア・疾患別ケア分析機能が追加されたことにより、今まで以上に質の高いケアマネジメントを目指すことが可能になりました。

沼津市は介護分野にも積極的にDXを推進している中で『SOIN』というAIケアプラン作成支援システムの導入を決定されました。
単にお金や人を注ぎ込むだけの業務効率化ではなく、ケアマネジメント業務における「質の向上」から業務効率化へのアプローチを目指しています。

今回は、そのような先進的な取り組みを進めている沼津市の基幹型地域包括支援センターにて実際にSOINを利用しているユーザーの方へインタビューを実施しました。
他の自治体や事業所の皆さまにも、大いに参考になる考え方や活用方法でしたので、皆さんにもご紹介いたします。

<インタビュー>

沼津市 市民福祉部 長寿福祉課 基幹型地域包括支援センター
主任介護支援専門員 佐藤智道 様








Q:沼津市(地域包括)の中で感じていたDX・ICT化に関する課題はどういったことでしょうか。
A:新たな技術導入に対する抵抗感や導入コストの問題、請求システムが統一されていない中での新たな共通システムの導入といった難しさがあります。
特に介護・福祉分野では「手書き」「対面」といったことが基本となっているため、こういった業務の効率化が課題と感じています。
そのような中においても、市内の一部の事業者におけるDX取組みの進展により、今後の展望には期待が寄せられています。

Q:導入前にAIに対してどのような印象をお持ちだったでしょうか。
A:はじめは何ができるのかという期待もあり、AIが勝手にケアプランを作成してくれるのではないかという考えもありました。同時に、私は正直いって、初見ではどちらかというとAIに対して否定的な考えを持っていました。

Q:初めて「SOIN」を知った時の印象はどのようなものだったでしょうか。
A:その特性が単に「ケアプランを直接作成する」というものではなく、ケアプラン作成に必要なアドバイスを提供するという点で非常に良いと感じました。これはご利用者のケアプラン作成の方向性を決める際に非常に重要であると考えていました。ただ、SOINを認識した当時は照会先や導入方法が不明であったため、なんとなくそのままになっていましたが、幸いにも県内の福祉用具貸与事業者であるベルメディカルケア株式会社の小島氏が、たまたまSOINの説明に来てくれたことで、詳細を知ることができました。
一方で、当時はまだ、他の市町村からAIに対するネガティブな意見が多かったことも事実であったことから、横目で他市町村の状況を見ながら導入準備を進めていました。

Q:実際に導入してみて使い勝手や入力にかかる時間などの「操作面」での印象はいかがでしょう。
A:操作面での印象は非常に良好でした。使い勝手という点では想像以上に簡単で、かつ、入力にかかる時間もわずか10~15分程度でスムーズに入力ができ、全体的にとても『楽』という感覚です。

Q:予測や課題分析、支援内容、「適切なケアマネジメントの策定、普及推進(以下、適ケア)」を意識したポイントの提案等の「アウトプット(もしくは機能)」に対する印象はいかがですか。
A:アウトプットや機能面に関しては、自身が気づかなかった点に対する有益なアドバイスが提供されることがありました。特に、課題分析支援機能は秀逸で、利用頻度が高いです。加えて、バージョンアップにより適ケアをフォローする機能が導入されたことにより、作成するケアプランの質の向上が大きく期待できます。予測機能の「精度」という点については実際の事例と予測の比較が難しいため評価し難い面があるものの、それを遥かに上回る利用価値が課題分析と「適ケア」のフォロー機能には確実に存在すると考えています。

Q:現在、日常業務のどういった場面でSOINを活用していますか。
A:主に地域ケア会議における自立したケアマネジメントの確認の際に活用しています。自身の経験則だけに頼るとケアマネジメントが偏って属人的になりがちですが、SOINを使用することによりエビデンスにもとづいたアドバイスや選択肢が増え、客観性を持たせることが可能になります。
これにより、ケアマネジメントの根拠が明確になるだけではなく、質の高い介護サービス提供が可能になります。

Q:SOINを活用することでどのような変化が起きましたか。
A:「こんなに使えるんだ」という新たな気づきが得られ、それが自身の考え方の変化にもつながりました。特に、ケアマネジメントにおけるアセスメントの際には、以前気づいていなかった視点の確認ができ、ケアマネジャー自身も使い方や考え方などが分かってきたことにより、今まで以上に効果的な活用が可能になっています。」

Q:SOINの利用が「質の向上」や「業務効率化」につながると感じますか。
A:質の向上や業務効率化につながると確信しています。次年度からの研修カリキュラムの変更を踏まえた適ケアの活用という点では、特に大きく寄与すると考えています。さらに、今後は実地指導の場面でも活用可能であると考えており、それ以外の場面でも多方面での利用が可能であると見込んでいます。

Q:「質の向上」や「業務効率化」がどのような場面で繋がった(もしくは変化があった)と感じましたか。
A:質の向上や業務効率化が実感できた理由として、ケアプラン作成フェーズでの活用が挙げられます。また、地域ケア会議でも活用しやすく、包括的なケアマネージメントへの指導の際にも利用可能であるため、多岐にわたる業務での効果が見られました。

Q:今後もAIを現場で積極的に活用を広げられると考えていますか。
A:AIの積極的な活用には、実際にAIを利用している専門職の存在や、AIを活用できる場面を提供することが重要であると考えています。現状では、請求ソフトとケアプラン作成ソフトが一体となっていることが多く、そのため、事業者が費用面を含めて新たにSOINのようなシステムを導入することに対してどのように考えるかが鍵になると考えています。

Q:AIの活用で重要なポイントはどのようなことでしょうか。
A:まずは余計な先入観や偏見を持たないことが非常に重要だと考えます。他職種との協議の場において、看護師や理学療法士、ご家族などの意見を初めから「聞かない」「否定する」というケアマネジャーはいないと思います。まずは耳を傾け、その上で何がベストなのかを考えると思います。
AIの活用という点でも全く同じことが言えると思います。鵜呑みにする必要はありませんが、初めから排除する必要は全くありません。まずは「聴く耳を持つこと」が重要だと考えます。

Q:今後のAIに期待することはどのようなことでしょうか。
A:欲を言えばキリがありませんが、大量の紙ベースの書類への適切な対応、効率的な記録機能(音声入力など)、他のシステムとのスムーズな連携が挙げられます。ただ、大きな価値を発揮すると考えている「経験値とAI」の組み合わせを最大化することができるかが、最も重要だと考えています。

以上


■株式会社シーディーアイに関する会社概要および問い合わせ先
会社名:株式会社シーディーアイ
中立性・独立性を備えた立場で介護業界全体を巻き込み、「介護×AI」をキーワードとしたオープンイノベーションを起こし、社会課題解決に挑戦することを目的として、2017年に、株式会社産業革新機構(現INCJ)、セントケア・ホールディング株式会社等により会社設立。2018年に、自立支援型AIケアプランシステムを国内で初めて商用化。
居宅介護支援事業所や地域包括支援センターへのシステム提供の他にも、愛媛県や静岡県などの自治体との実証事業を通じたAIの普及活動も積極的に推進中。
HP:https://soin.tech/
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