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恵寿総合病院とUbie、生成AIを活用した「医師の働き方改革」の実証実験を実施

Ubie株式会社
書類作成業務の時間を最大1/3まで軽減医師に加え看護師やタスクシフトの担い手である事務スタッフの業務効率化にも寄与

 Ubie株式会社(本社:東京都中央区、共同代表取締役:阿部吉倫・久保恒太、以下「Ubie」)は、社会医療法人財団董仙会 恵寿総合病院(所在地:石川県七尾市、理事長:神野正博、以下 「恵寿総合病院」)と共に2023年12月1日から12月29日の期間、恵寿総合病院での生成AI活用に関する実証実験を行いました。この実証実験は2024年4月施行の「医師の働き方改革」に向け院内全体の業務効率化を目指すものであり、医師の退院時サマリー作成業務では、業務時間を最大1/3に削減するなど、効率化の可能性が示されました。また、看護師やタスクシフトで医師の業務を担う事務スタッフの業務に関して効率化が見込まれるなど、生成AI(LLM)の活用が院内全体の業務効率化に寄与する可能性が示されました。


■実証実験結果サマリー
医師の退院時サマリー作成業務が約15分から5分と最大1/3にまで短縮

平均5分の短縮が見込まれ、年間約6,500人の患者が退院、転出により年間約540時間の医師の作業時間削減の可能性

看護師の退院時看護要約作成業務や医療事務スタッフによる退院サマリー作成、主治医意見書・診療情報提供書作成補助業務でも作業時間削減の効果がみられ、院内全体の業務効率化に寄与

■取り組み背景と実証実験の概要
 2024年4月に「医師の働き方改革」が施行され、医師の時間外労働時間に上限が設けられることを受け、各医療機関ではDXの推進や医師の業務の一部を他の医療従事者へ移管する「タスクシフト」など様々な手法での効率化が進められています。恵寿総合病院は能登地域唯一の地域医療支援病院であり、医療DXを積極的に推進し、日本の先端病院として医療の質向上と職員の働き方改革・健康経営に取り組んでいます。Ubieは2018年より医療機関の業務効率化のための問診サービス「ユビーメディカルナビ(https://intro.dr-ubie.com/)」を提供。また2023年には、医療・ヘルスケア領域における生成AI等のイノベーションと安全性の両立を目指す研究組織「Ubie Lab」の設立や、クリニックを対象にユビーメディカルナビでの生成AIを活用した「問診要約機能」の提供など、テクノロジーを通じた医療現場のDX・業務効率化に貢献しています。(*)。

 今回の実証実験は、他業種で急速に利用が広がる生成AIを、倫理的観点・安全性を最大限考慮しながら医療現場で活用し、医師をはじめとする医療従事者の業務効率化・負担軽減の可能性を模索することを目的に実施されました。実証実験では恵寿総合病院で導入されている「ユビーメディカルナビ」内に生成AI(LLM)を活用できる機能を実装し、医師・看護師・事務などPJTメンバー15名が、どのような業務に生成AIを用いることで効果的な効率化が見込まれるのかを、12月1日から12月29日までの29日間にわたって検証しました。

*「Ubie Lab」創立プレスリリース「問診要約機能」提供開始プレスリリース「日本デジタルヘルス・アライアンス生成AI活用のガイドライン策定」プレスリリース

■実証実験の成果と今後の展開
 実証実験の結果、特に以下の業務において生成AI(LLM)の活用が、医療現場での業務効率化に寄与する可能性があることが確認されました。
- 医師による退院時サマリー作成業務
- 看護師による退院時看護要約作成業務
- 医療事務スタッフによる退院サマリー作成、主治医意見書・診療情報提供書作成補助業務



 中でも、平均在院日数10日分の患者さんの病状や治療の経過、今後のケアについて記録する「退院時サマリー」業務は、あらかじめプロンプト(生成AIへの指示)を設定し、必要な情報を読み込ませ要約させることで、生成AIが指示にそった形式でサマリーを作成。医師はその情報に問題がないか確認し、必要に応じて修正を加えるという流れにより、作業時間が最大約15分から5分と1/3にまで短縮し、その効果を確認しました。平均すると5分の短縮が見込まれることから、全病棟で年間約6,500人の患者が退院、転出する恵寿総合病院では、この効率化により年間で540時間の医師の作業時間削減を実現できる可能性が示されました。


 また、次の受け入れ先(施設・在宅・他病棟など)での継続的な看護を目的に、看護師が患者の看護の経過、退院後のケアについてまとめる「退院時看護要約」では、最大1時間掛かっていた作業時間を15分に短縮できたケースも確認されました。さらに、同じく業務効率化に寄与する可能性があることが確認された医療事務スタッフによる「退院サマリー」・「主治医意見書」・「診療情報提供書」作成補助業務は、医療機関の規模や体制によっては医師が直接作成ケースもあることから、生成AIの医療現場での活用は、医師の働き方改革に直接的にも間接的にも寄与できることが期待できる結果となりました。

 実証実験は引き続き行われ、2月からは医師を含めた院内スタッフ最大800人が生成AIを活用し、更なる業務効率化への可能性を模索していく予定です。両者は今後もテクノロジーを活用した業務効率化と医療のさらなる質向上の両立を目指し、医療現場での生成AI(LLM)のより実践的な活用を推進してまいります。

■恵寿総合病院 理事長補佐 神野 正隆 氏 コメント
 2024年4月から始まる医師の働き方改革は、医療現場全体の働き方そのものを見直す契機となっています。ですが、単に時間を短縮するのでは、医療の質が落ちてしまう、もしくは時間当たりにやらねばならぬ仕事量が増えてしまい、かえって「働きづらい改革」になってしまう可能性があります。医師を含めた全ての職種がそれぞれ本来業務により専念できるようになるためには、生産性・効率性を上げていくことが重要ではないでしょうか。そのためには生成AIを含めたテクノロジーの活用は欠かせないと考えています。当院は年始に被災しましたが、働き方改革を単なる労働時間の調整だけでなく、自身の専門性を活かしながら地域の皆様の健康、医療に貢献できる、「働きがい改革」とするために、新しい取り組みの手を緩めることなく、今後も積極的なチャレンジを続けてまいります。

恵寿総合病院ホームページ
https://www.keiju.co.jp/
クラウドファンディング「能登半島地震 災害でも医療は止めない!けいじゅヘルスケアシステム」https://readyfor.jp/projects/keiju

■お問い合わせ
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【医療機関向け「ユビーメディカルナビ」について】
「ユビーメディカルナビ」は診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージです。問診業務効率化を図る「ユビーAI問診」や、認知向上をサポートする「ユビーリンク」などを提供しています。「ユビーAI問診」は紙の問診票のかわりにスマートフォンやタブレットを活用した、医療機関の業務効率化を支える問診サービスです。医師は文章に翻訳された問診内容と病名辞書の結果を活用することで、電子カルテ記載に伴う事務作業が大幅に削減されます。結果として、より患者さんに向き合う時間が増え、診察等の医師にしかできない業務により集中していただけるようになります。2024年1月時点で、病院・クリニック合わせて全国47都道府県・1,700以上の医療機関で導入されています。第三回日本サービス大賞で「厚生労働大臣賞」と「審査員特別賞」を受賞しました。
日本URL:https://intro.dr-ubie.com/


【Ubie株式会社が提供するサービス一覧】
▽生活者向け 症状検索エンジン「ユビー」
日本版:https://ubie.app/
US版:https://ubiehealth.com

▽医療機関向け「ユビーメディカルナビ」
https://intro.dr-ubie.com/▽生活者とクリニックをつなぐ「ユビーリンク」
https://intro.dr-ubie.com/ubielink


【Ubie株式会社について】
「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げ、医師とエンジニアが2017年5月に創業したヘルステックスタートアップです。AIをコア技術とし、症状から適切な医療へと案内する「ユビー」と、診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージ「ユビ―メディカルナビ」等を開発・提供。誰もが自分にあった医療にアクセスできる社会づくりを進めています。

所在地  :〒103-0012  東京都中央区日本橋堀留町二丁目4番3号 日本橋堀留町2丁目ビル 6F
設立   :2017年5月
代表者  :共同代表取締役 医師 阿部 吉倫・共同代表取締役 久保 恒太
URL  :https://ubie.life


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