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耳かきのやり過ぎは禁物
聴力低下も-外耳道真菌症

 世間には、耳かきが大好きで常習化している人が意外に多い。耳かきをしないと耳の中がむずむずしてかゆいというが、そのかゆみは耳あかのせいではなく、カビが繁殖して起こる外耳道真菌症の症状かもしれない。自治医科大学付属さいたま医療センター(さいたま市)耳鼻咽喉科の吉田尚弘教授は「外耳道真菌症は耳かきが好きな人に起こりやすいので注意してください」と呼び掛ける。

過度な耳かきは控えて

 ▽強いかゆみや耳だ

 外耳道真菌症は、耳の入り口から鼓膜までの外耳道に真菌が感染し繁殖する病気で、強いかゆみや耳だれを伴う。ひとたび発症すると、治るまでに時間がかかる。真菌とは、カビやキノコ、酵母の総称で、外耳道真菌症を起こすのは、空気中に当たり前に存在するアスペルギルスやカンジタといった真菌が多い。
 皮膚には、環境を良好に保ち菌の増殖を抑える自浄作用と、異物の侵入を防ぐバリアー機能が備わっている。そのため、真菌が皮膚に付いても通常は繁殖しない。ところが、耳かきで皮膚が傷つき炎症が起こると、自浄作用とバリアー機能が低下し真菌が繁殖しやすくなってしまうのだという。

 吉田教授は「皮膚の深いところに真菌が入り込むと、強い痛みを生じます。鼓膜の表面で真菌が繁殖すると、聴力が落ちる原因にもなります」と注意を促す。外耳道は奥が行き止まりの構造なので、イヤホンを長時間付けていたりすると炎症が起こりやすくなるという。

 ▽根気強く治療を継続

 外耳道真菌症の治療は、まずどの菌が繁殖しているのかを調べるため、外耳道内の付着物を採取して検査をする。菌によって薬を使い分ける必要があるからだ。外耳道内に繁殖した真菌をきれいに取り除いた上で、抗真菌薬を塗る。これを一定期間繰り返すことで真菌の繁殖を抑え、皮膚のバリアー機能を回復させていく。「だいたい2~3週間、中には1カ月以上かかる場合もありますが、根気強く通院してください」と吉田教授。

 皮膚の深部に真菌が入り込んでしまった場合は、塗り薬以外に抗真菌薬の内服が必要になる。ただし、抗真菌薬は飲み合わせ(併用)が禁じられている薬が多いので、必ず主治医に服用している薬を正確に伝えたい。

 吉田教授は「再発を防ぐためにも過度な耳かきを習慣化させず、耳あかが気になる場合は耳鼻科で取ってもらってください」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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