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人間ドック(下) 温泉旅行、会員制など多様に =差別化図る施設増加

 人間ドックは施設によって検査項目や検査機器などが異なるが、観光や温泉など医療とは別種のサービスや、会員制で老化状態チェックなど特殊な検査を設けて差別化を図る施設が増えている。近くで安く、できるだけ検査項目が多い施設をという、人間ドックを選ぶ際のかつての基準は変わりつつあるようだ。

 ◇温泉とのコラボが人気

 人間ドックと検査施設周辺の温泉旅行をコラボしたプランが人気だ。居住地とは異なる国や地域を、治療や診断を目的に尋ねる「医療観光」(メディカルツーリズム)の一種で、以前は中国人をはじめとする外国人が対象と考えられていたが、現在は日本人の間でも観光や温泉を楽しみながら、人間ドックを受ける人が多くなっている。
 獨協医科大学日光医療センター(栃木県日光市)では、「温泉宿泊型人間ドック」を設置。同センター近隣にある鬼怒川温泉の旅館・ホテルに宿泊しながら、人間ドックを受けられる。採血・採尿や胃内視鏡検査のように、空腹の状態で受ける検査は1日目に集約するため、宿泊日の夕食では食事もお酒も楽しむことができる。検査終了後は日光を観光してから帰宅してもいいだろう。
 2015年度は138人が受診。07年の開設以来、人数は年々増加傾向にあり、受診者はすでに700人余に上る。その多くは50~60歳代で、両親へのプレゼントに利用する人もいる。東京から訪れた60代男性は「温泉旅行がてら夫婦で受診した。旅行感覚で検査を受けられるのは一石二鳥」と話す。同センターのリピート率は約4割に上り、この男性も1年後の再受診を検討しているという。
 温泉と一体型のプランは、各地に広がっている。岡山県北部の湯原温泉郷でも、1泊2日の「湯けむりドック」が好評だ。検査は湯原温泉病院(同県真庭市)で受け、待ち時間には温泉指南役が温泉の入り方を指導。独自のおもてなしが話題を呼び、年間約200人が利用しているという。

 ◇富裕層向けドック

 富裕層向けの高級会員制人間ドックも増えている。ハイメディック(東京本社・東京都渋谷区)が運営するグランドハイメディック倶楽部は全国に8施設を保有。このうち山中湖クリニックは1994年、PET(陽電子放射断層撮影)検査を世界で初めて検診に導入した。場所は富士山の絶景を望むリゾートホテル内。休暇を兼ねてのんびりくつろぎながら、最新鋭の機器を使った高精度な検査が受けられる。健康を管理しながらラグジュアリーな癒やしを同時に得られるのが特徴だ。
 同社によると、東京大医学部付属病院や京都大医学部付属病院など複数の国立大学とも連携しており、大学施設内で行う検診データなどは予防医学研究にも反映され、その結果は会員の検査に還元されるという。
 SBIメディック(東京都千代田区)も会員制人間ドックの一つ。全身のがんをくまなく検査するがんドックや、認知機能を調べるものわすれドック、老化の状態を知るエイジマネジメント・ドック、さらには全身疾患に関連する歯周病などの状態を見るオーラルチェックまで網羅し、納得いくまでしっかり相談に乗ってくれるサポート体制が特徴だ。
 ただ、どちらの会員制施設も入会金百万円以上、年会費数十万円。企業経営者ならともかく、一般のサラリーマンには敷居の高い金額かもしれない。(了)

(ソーシャライズ社提供)

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