治療・予防

意識したい食生活
疲れ目から守る成分とは

 ◇有効な二つの食品成分

 原教授が第一に挙げるのはルテインだ。主に濃い緑色の野菜に含まれる黄色の色素で、もともと目の網膜の中心部の黄斑部と水晶体に多く含まれている。太陽や人工的な光は全て黄斑部に届くが、ルテインは目に有害とされる紫外線やパソコンなどから出ている青色発光ダイオード(LED)の光を吸収したり遮断したりしている。黄斑部は私たちの体に自然に備わっている黄色のサングラスでもあるという。

 もう一つ重要なのがアントシアニンだ。「光を電気信号に変えて視神経に伝える役割はロドプシンというタンパク質が担っています。ロドプシンは日々分解と再合成を繰り返していますが、加齢や目の酷使により再合成が遅れると、視力低下につながることが分かってきました。アントシアニンは、そのロドプシンの再合成を促します」

 ルテインは濃い緑色をした野菜の中でもホウレンソウやブロッコリーに多く含まれる。アントシアニンが豊富な果物としてはブルーベリーやカシスが代表的だ。「しかし、野菜や果物だけでは目の疲れを補えないのが現代人の生活環境。野菜ジュースやサプリメントも活用して、疲れにくい目をつくることを心掛けてください」と原教授はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事内容、医師所属、肩書などは取材当時のものです

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