手、足、脇などの異常な汗
日常生活に支障なら治療を
◇8割以上が改善
主な治療法は塩化アルミニウム剤の外用療法や、皮膚に弱い電流を流すイオントフォレーシス(イオン浸透)療法の保存的治療で、共に汗腺に栓をすることで発汗を抑える効果がある。「塩化アルミニウム剤は院内調剤で処方しています。イオントフォレーシスは健康保険が適用されますが、毎日のことなので家庭用の機器を購入してもらいます。共に効果が出るまで2~3週間毎日行う必要がありますが、8割以上の患者さんが改善します」と横関教授。
これらで改善しない場合はA型ボツリヌス毒素の局所注射を行うが、保険適用となっているのは腋窩(えきか)のみで、手足は自費負担となる。「ボツリヌス毒素は発汗を促すアセチルコリン放出を抑制し、効果は半年ほど持続します」という。
保険適用の手術に、手のひらの発汗神経を遮断して発汗を止める胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS)もあるが、背中や太ももなど別の箇所の代償性発汗が起こるため、最終手段として考えられている。外用薬が使用できない顔や頭部の多汗症には抗コリン薬や自律神経調整薬などを用いる。
横関教授は「多汗症は決してまれな病気ではありません。生活に支障を来さない程度の改善は見込めますので、悩まずに皮膚科を受診してください」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2017/05/28 15:24)