多汗症〔たかんしょう〕 家庭の医学

 ふつうの人以上に汗をかくもので、全身性のものと、からだの一部の局所性のものとがあります。後者はわきの下(腋窩)、手足に多いものです。
 全身性では神経系疾患、ことに自律神経失調によるもののほかに、貧血、バセドウ病(甲状腺機能亢進〈こうしん〉症)で起こります。
 局所性多汗症は神経支配を受けていて、精神が緊張すると目立ちます。だから、こういった人では、自分の汗かきを気にしないように努力することが大切です。あぶら手といわれるものもこれです。
 汗が多いときは、絶えず皮膚をきれいにしていないと、皮膚表面の細菌で汗が分解されて、においができます。体臭がこれです。

[治療]
 1.外用タイプの抗コリン薬(腋窩や、手掌用の外用薬が最近使えるようになりました)。
 2.わきがと同じく外用薬を使い、日常生活の注意を守り、特に高温多湿の環境を避けます。
 3.塩化アルミニウム液の外用。
 4.抗コリン薬の内服。
 5.自律神経安定薬の内服。
 6.最近はボツリヌス毒素を注射して発汗を抑制する治療もあります。
 7.わきの下の交感神経節を手術する方法もありますが、慎重に考えてからおこなうようにしてください。

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