治療・予防

手足に急激な異変、重症化も=難病のギラン・バレー症候群

 ギラン・バレー症候群は、末梢(まっしょう)神経に障害が起きる難病で、昨日まで元気だった人が突然手足の違和感を訴え、急速に動けなくなっていく。重症化すると呼吸が止まることもある。日本では年間10万人に1~2人と発症頻度は高くないが、働き盛りの世代を中心に、子どもからお年寄りまで誰でもかかる可能性がある。

 ◇きっかけは感染症

 脳と脊髄から成る中枢神経に対し、そこから枝分かれし体の各部位に張り巡らされている神経を末梢神経という。末梢神経が痛む病気は数多いが、ギラン・バレー症候群はそれに先駆けて起こる「先行感染」をきっかけに発症することが多い。

 調査によって、患者の7割が手足に異変が起きる1~2週間前に風邪などの感染症にかかっていたことが判明した。

 北里大学医学部新世紀医療開発センター(横断的医療領域開発部門)の神経内科専門医で、ギラン・バレー症候群のガイドライン作成に携わった荻野美恵子講師は「感染症の症状は治まっているのに末梢神経が侵されていたこと、細菌と末梢神経の表面の構造が一部類似していることから、体内の免疫システムが外部から入ってきた細菌を攻撃しようとして、自身の神経まで攻撃してしまうことが原因と考えられるようになったのです」と説明する。

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