命の危険もある「脳振とう」=スポーツ時の頭のけがに注意
◇様子は見ずに病院へ
衝突で頭を打った場合、安静第一と考えがちだが、「頭蓋内に出血があれば、安静を保っても血は止まりません。一刻も早く病院に搬送すべきです」という。呼吸や意識の有無を確認し、頸部(けいぶ)の痛みや手足のしびれがある場合は頸部を保護して救急搬送する。あらかじめ搬送の方法を決めておくことも重要だ。
「専門医でも、その場で頭蓋内の出血の有無は判断できません。速やかに病院で検査を受け、検査後も頭痛があれば再度検査を受けてください」と谷教授。
脳振とう後も意識が戻ればプレーを続行していた時代もあるが、「アメリカのプロスポーツでは訴訟にまで発展したこともあり、脳振とうを重く見ています」。脳振とう後は24時間休み、慎重に経過を見た上で競技への復帰を判断しなければならない。脳振とうの危険性やその対応を理解し、意識を高めることが生命を守ることにつながる。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2017/09/25 12:05)