Dr.純子のメディカルサロン
がんのセカンドオピニオン 久保田馨・日本医科大教授に聞く
海原 セカンドオピニオンは大事だということは理解できますが、セカンドオピニオンを必要としない場合はありますか。
久保田 病気が進行して一刻も早く治療を開始した方がいい場合もあります。また逆にごく早期に病気が発見されて別の医師の意見を聞くまでもない場合もありますね。ですからセカンドオピニオンについては、今かかっている医師に現在の病気の状況を確かめ、セカンドオピニオンの必要性について確認することが大事です。
海原 セカンドオピニオンの準備は、まず今の担当医師にセカンドオピニオンの必要性を確認することからスタートするのですね。では具体的にセカンドオピニオンを受けたいと考えたら、どうすればいいでしょうか。
久保田 今の担当医にセカンドオピニオンを受けたいと伝えてください。すると担当医は今の病気の進行状況からみて適切だと考えれば、他の医療機関宛てに診療情報提供書や検査データ一式を準備してくれます。その際、セカンドオピニオンを受ける機関が分からない場合は、担当医に紹介してもらったり、特に専門の医師がいる場合は推薦してもらったり、各地にあるがん拠点病院に問い合わせてセカンドオピニオン外来を開設している機関を紹介してもらったりすることをお勧めします。
海原 セカンドオピニオンを受けることが決まった後の注意点はありますか。
久保田 受診する機関の受け付けに連絡して、セカンドオピニオン外来の申し込みに必要な手続きをします。こうした作業とは別に、最も大事なのは何が知りたいのか、特に何をセカンドオピニオンに求めるかを明確にしておくことです。今私が行っているセカンドオピニオン外来では問診票を作り、記入してもらっています。
<主な記入項目>
①何を求めてセカンドオピニオンを受けるのか
・今受けた診断の正確さ ・予後
・他の治療法の有無 ・治療の副作用 など
②今の医療機関でどのように診断され、どのような治療を勧められているか
③治療法に関する希望
④その他に聞きたいこと
こうして、あらかじめ自分の聞きたいことや不安なことをまとめておくことで、セカンドオピニオン外来を活用できるのです。
(2017/07/25 14:33)