防災メディカルDr.純子のメディカルサロン

福島浜通り訪問記 後編(浪江町)


 前回お伝えした楢葉町でも町内居住者数はもともとの人口の23%でしたが、浪江町は避難解除から間もないこと、さらに町内には帰還困難区域が残ることから、さらに厳しい状況です。

浪江町のローソンは、訪問日である日曜日は閉まっていた。除染など復興業務で出入りする人々の買い物は平日に集中しているので、日曜日は休みだという。2017年7月2日浪江町にて撮影。

 全ての町民の帰還は現実的ではないし、目標でもないと思われますが、そのような状況でどんなまちづくりを進めているのでしょうか。この点、役場職員からお話を伺うと、当面は「復興の核となるエリア」となる役場周辺に限って災害公営住宅などの生活環境を整備するなど、一歩ずつまちづくりを進めているそうです。

◇「復興」のイメージが変わった

 最後に、学生の感想の一部をご紹介します。

・「復興」のイメージが変わった。復興にはいろんな形や捉え方があることを学んだ。
・ハード面の復興が全てではないことを学んだ。

・本当の復興とは、街に人が戻り、かつてのような活気を少しずつ取り戻して行くものではないか。
・人が戻ってきていないことにショックを受けた。
・高齢者ばかりが戻ってきているが、しっかりした医療機関が近くにないと聞いて衝撃を受けた。
・福島県では意外に震災の爪痕(視覚的に見られる場所・施設)が少ないと気づいた。
・岩手の被災地の景色と比較して、改めて原発災害の異質さや特殊さを感じた。
・「困っているわけではない、むしろこのピンチがチャンスだ」「決してかわいそうとも、不幸とも思わないでほしい」と言った前向きな言葉が印象的だった。
・「安全」ということがわかっていてもそれを「安心」につなげるのは非常に難しい。


 前回と併せて、本稿では福島浜通りの様子をお伝えしました。多くの学生が「私たちに何ができるのか」を真剣に考えています。

 訪問先でお世話になったいわき市、楢葉町および浪江町の皆さま、そして福島県庁の皆さま、どうもありがとうございました。今後も「チャレンジ、ふくしま塾。」の活動などを通じてふくしまを正しく理解し、伝える取り組みなどを進めていきたいと思います。

(文 久保田崇)


→〔前編へ戻る〕福島浜通り訪問記 前編(楢葉町)

浪江町役場の隣にある、仮設商店街「まち・なみ・まるしぇ」。まずは役場周辺での生活基盤を優先的に整備しているという。前列右端が筆者。2017年7月2日浪江町にて撮影。
  • 1
  • 2

Dr.純子のメディカルサロン 防災メディカル