治療・予防

妊娠中から予防を意識
産後の抜け毛

 女性の抜け毛の原因はさまざま。中でも産後の抜け毛は、女性ホルモンの変化により起こるとされ、人知れず悩んでいる女性は少なくない。女性向けの頭髪外来を開設するウィメンズヘルスクリニック東京(東京都千代田区)の浜中聡子院長は「妊娠中の食生活が、産後に影響を及ぼします」と話す。

 ◇女性ホルモンが減少

 女性ホルモンの一つであるエストロゲンには、髪の毛の成長や成長期間を維持させる働きがある。妊娠中は胎盤からエストロゲンが豊富に分泌されるので、抜け毛も少なく生き生きとした髪質を保つことができるが、出産とともに胎盤が排出されると、エストロゲンは激減、抜け毛が目立つようになる。

 20代後半をピークに緩やかな下降線を描くエストロゲンの分泌量は、45~55歳くらいの更年期に急激に減少することが知られている。

 「高齢出産や、家庭や仕事など、多くのストレスを抱える女性が増えたことも抜け毛に拍車をかけています」と浜中院長。母体の負担が大きい多胎妊娠でも、出産後に抜け毛がひどくなるケースがあるという。

 症状の感じ方は十人十色。産後すぐ感じる人もいれば、数カ月たってから気付く場合もある。浜中院長は「産後に抜け毛があっても、およそ1~1年半で生えそろいますが、髪質は変わってきます。産後の方が細く柔らかくなったり、退色して白髪が目立つようになったりします」と話す。

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