治療・予防

放置すると歩行不能も
高齢者に重要な爪ケア

 高齢者は爪の状態が悪いと、足をかばって歩くようになり、たこやうおのめができやすくなる。さらに歩行バランスが乱れて転倒したり、歩けなくなったりすることもある。爪のトラブル解消のための専門施設「天使のつめきり」(横浜市)を運営する看護師の伊部美代子さんに話を聞いた。

 ◇爪分厚く、痛みも

 高齢者の足の爪のトラブルとして知られる爪白癬(はくせん)は、白癬菌が爪に感染して発症する病気だ。体力の低下や加齢に伴う足の血行障害があると、白癬菌が皮膚の角質内に侵入、角質の「板」である爪の組織を餌にして広がっていきやすい。白癬菌が角質内に侵入するまで、湿度100%の状態で最低24時間を要するが、角質に傷があると12時間ほどの短時間で入り込んでしまう。

 「白癬菌は伸びてくる爪も餌にするので、感染が進むと爪がますます変色して厚くなっていく。ひどい人では厚くなった爪が靴に当たって行き場を失い、爪が反っくり返ってしまったり、巻き爪になったり、指先を巻き込むように指の裏側に向かって伸びてしまったりします」と伊部さん。

 分厚くなった爪に市販の爪切りは使いにくく、そのまま放置されることも少なくない。厚くなった爪が靴に当たることで痛みが生じ、歩けなくなる高齢者もいるという。爪白癬の治療は爪のケアと治療を並行して行うことが重要だ。

 伊部さんは「爪を削ることで痛みが解消され歩くことができれば、血行障害は改善されます。血行が良くなり皮膚に十分栄養が行き届けば、新しい爪が伸びやすい環境にもなります」と話す。

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