話題

依存症は治療が必要な病
「1杯飲んだら元に戻る」 理解・啓発イベントを愛知で開催

弾き語りをするZIGGYの森重樹一氏

 アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症に対する理解・啓発イベント「誤解だらけの依存症」(主催・厚生労働省)が愛知県日進市で開かれた。依存症は本人の意思や性格の問題と思われがちだが、実は脳の病気で治療すれば回復が可能。イベントでは、アルコール依存症を克服したロックバンド「ZIGGY」ボーカルの森重樹一氏、厚労省の依存症理解・啓発サポサポーターを務める前園真聖氏(元サッカー日本代表)、ギャンブル依存症を考える会の田中紀子代表らが依存症への理解を訴えた。

 ◇「脳がハイジャックされる

 イベントの冒頭、森重氏が代表曲「GLORIA」などを弾き語りで熱唱し、酒浸りだった時代を振り返った。最後の数年は恒常的な鬱(うつ)状態で自殺さえ意識。医師の治療などを受けて約10年前に酒を断ったが、「僕は脳のシステムのため適量で切り上げることができない。一杯飲めば、以前と同じ状態に戻る」と依存症の怖さを語った。

トークセッションに参加した、せやろがいおじさん、田中紀子氏、松本俊彦氏、森重樹一氏、濱口優氏、前園真聖氏(左から)

 続くトークセッションで、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の松本俊彦・薬物依存研究部長は依存症の実態について、「脳がハイジャックされる状態。価値観のランクが替わり、家族や将来の夢などより(酒などが)一番上になってしまう、誰でもかかる病気」と説明、脳の病気だという事実に理解を訴えた。

 ◇「家族の役割重要」

 田中代表は自身と祖父、父、夫がギャンブル依存に苦しんだ過去を持ち、「借金などの問題を忘れるためギャンブルをした」という悪循環も経験。今は回復して支援活動に力を入れているが、「家族の役割が重要。借金の尻ぬぐいは逆効果になる」と指摘する。不要な手助けを避け、依存症者自身を問題に向き合わせる必要性を訴えた。

依存症の理解・啓発サポーターを務める前園真聖氏

 回復に向けては依存症経験者の自助グループに参加することが推奨される。前園真聖氏は自助グループ3カ所を訪問した経験を踏まえ、「依存症と言えない苦しさがあり、自分が依存症と理解してくれる人と話をすることで、(断酒などを)継続できる」と話し、自助グループの重要性を指摘した。

 ◇結婚式でも勧めない

 依存症とは縁遠い“一般人”代表としてイベントに参加したお笑い芸人「よゐこ」の濱口優氏は「依存症の回復には周囲の協力が必要。断酒している人には、結婚式でもお酒を勧めてはいけないと分かった」と話した。

 最後にお笑い芸人・Youtuber「せやろがいおじさん」が作成した依存症の啓発・紹介ビデオが会場に流れ、本人が登場。「薬物で問題を起こした芸能人をスキャンダラスに伝える報道にも問題がある」と語り、依存症はあくまで病気だとの理解が広がるよう求めた。

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