箸使えず、字が書けない =高齢者の震え―本態性振戦
◇ストレス排除が重要
「本態性振戦の治療で重要なことは、パーキンソン病など他の病気と区別することです」と中村教授。パーキンソン病は、動作をしていないときに比較的大きくゆっくりとした震えが手足に起こる。これは安静時振戦と呼ばれるもので、病気が進行すると震え以外の症状が表れるという点でも本態性振戦とは異なる。
本態性振戦の治療には内服薬、注射で神経の働きを抑え筋肉の緊張を緩和させるボツリヌス療法、手術などがあるが、若年者を除いて日常生活に支障がなければ、経過観察となる場合もある。
「軽度の場合は震えとうまく付き合うことが大切です。ストレスや緊張が震えをひどくさせることが多いので、それらを和らげるようにアドバイスします。必要であれば、安定剤などを処方することもあります」
震えはほっておくと、ゆっくりしたペースでひどくなる。気になる震えが生じたら神経内科を受診してほしい、と中村教授は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2016/12/09 14:25)