箸使えず、字が書けない =高齢者の震え―本態性振戦
手が震えて湯飲みが持ちづらい、字が書きにくいなど、高齢者の日常生活でよく見られるのが「震え」だ。震えは振戦(しんせん)と呼ばれ、中でも原因が見つからないものを本態性振戦と呼ぶ。「パーキンソン病などとは異なり、動作を行う際に手や頭が細かく震えるのが特徴です」と近畿大学医学部堺病院(堺市)神経内科の中村雄作教授は話す。
◇原因不明、若年の発症も
本態性振戦は原因不明の震えが起こる病気だ。発症には遺伝的な要因も考えられるが、なぜ震えるのかという根本的な原因は分かっていない。70歳以上の高齢者に多いが、20、30歳代の若年での発症もあるという。
主な症状は箸を持つ、字を書くなど、手を動かす際に生じる細かな震えだ。食べ物をこぼす、字がうまく書けないなど、日常生活に支障を来すことも多い。中村教授は「頭や声に震えが起こることも少なくなく、それを気にして外出を避けるようになることもあります」と指摘する。
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(2016/12/09 14:25)