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頭痛、耳鳴り、白目が充血、顔が赤い、だるい、全身がかゆいなどの症状が見られたら、赤血球が異常に増える真性多血症かもしれない。血液がドロドロの状態になり、固まりやすくなる。血管が詰まって脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こす危険性が高くなるため、早めの治療が必要だ。
真性多血症の治療
▽血液細胞を作る機能に異常
赤血球は骨の中にある骨髄でつくられ、肺から血液中に取り込んだ酸素を全身の臓器に運ぶ役割を果たしている。この赤血球が増加する病気を、多血症または赤血球増加症という。
多血症はさまざまな原因で起こる。赤血球などの血液細胞のもとになる骨髄中の細胞(造血幹細胞)が持つ遺伝子「JAK2」の異常により、骨髄の機能が活発になり過ぎて発症するのが真性多血症だ。
順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京都文京区)血液内科の小松則夫主任教授によると、年間10万人当たりに約2人が発症する比較的まれな病気だ。遺伝することはないと考えられているが、ごくまれに血縁関係の家族内で複数の人に発症する場合がある。
脳梗塞や心筋梗塞を起こさなければ予後は悪くないが、白血病や、骨髄内がクモの巣状になり血液細胞が作れなくなる骨髄線維症といった血液がんに移行することがある。
▽症状改善を期待できる新薬
病気か否かの診断には、主に血液検査、背骨の左右にある腸骨(骨盤を構成する骨の一部)の骨髄に針を刺して血液細胞を作る機能を調べる骨髄検査が行われる。「JAK2」遺伝子検査の精度は非常に高いが、まだ一部の医療機関でしか行えない。
治療の基本は、血を抜いて赤血球を減らす瀉血(しゃけつ)療法と、血を固まりにくくするアスピリンの少量投与だ。さらに、高齢者や血栓症になったことがある血栓症リスクの高い人は、血液細胞の異常な増殖を抑える細胞減少療法として、ヒドロキシカルバミドという抗がん剤を服用する。これで効果が得られない、または副作用で継続できない場合は、数年前に登場したJAK阻害薬のルキソリチニブを飲む。血液細胞の量を正常化し、全身のかゆみなどの症状の改善が期待できる。
小松教授は「脳梗塞などの血栓症を起こすと命に関わることもあります。思い当たる症状がある、または健診で異常を指摘されたら血液内科医の診察を受けてください。真性多血症と診断されたら、速やかに治療を始めるべきです」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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