治療・予防 2024/11/22 05:00
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~アレルギー患者で活性化(信州大学医学部付属病院 柳沢龍准教授)~
心房細動は高齢者に多い不整脈の一種。心臓内で血液の流れがよどんで血の塊(血栓)ができやすくなり、血栓が脳に運ばれて血管に詰まると脳梗塞が起こる。発症を防ぐには、血栓を予防する抗血栓薬の治療が必要になるが、心身が衰えた高齢者の場合はリスクを伴うことがある。杏林大学医学部付属病院(東京都三鷹市)循環器内科の副島京子教授に原因と対策を聞いた。
▽十分な量の薬が使えない
心臓は心室と心房から成るが、心房細動は心房が小刻みに震えて心臓本来の正しい収縮と拡張ができなくなる状態だ。脈の回数が増え、動悸(どうき)や胸の違和感などが表れることもある。国内の患者数は約70万人と推定され、今後も増加が見込まれる。
心房細動の有病率(年代別)
脳梗塞を発症する恐れがあるため、患者の状態によっては抗血栓薬を継続して飲む必要があるが、「高齢患者では治療を十分に行えないことがあります」と副島教授は指摘する。理由の一つとして、高齢者は加齢による体重減少、筋力低下、気力低下など、心身の機能が衰える「フレイル」を伴いやすいことが挙げられる。
フレイルになると、横断歩道を青信号で渡り切れない、家に閉じこもり他人との交流がなくなる、といったことが見られる。65歳以上の11%がフレイルに該当するとされ、転倒・骨折から寝たきり、要介護につながる懸念がある。
こうしたフレイルの心房細動患者に対して、医師は抗血栓薬を決められた量より減らしたり、中止したりしがちだという。出血の副作用があるため、服用中の患者が転倒やけがをすると出血が助長される可能性があるからだ。
適切な抗血栓薬の治療が行われないと、脳梗塞を発症して命に関わることもあるため、早めにフレイルに気付き、対処することが重要となる。「フレイルが改善すれば、その人に適した心房細動の治療を行えるでしょう」と副島教授。
散歩やラジオ体操などの適度な運動、タンパク質やビタミンの豊富な食事の摂取、社会との関りを持つことなどがフレイル対策になる。また、高血圧や糖尿病の治療はフレイルだけでなく、心房細動にも効果的だ。
心房細動の早期発見には、手首に指を当てて脈拍を測る習慣を付けるとよい。副島教授は「脈が普段と違い不規則に感じたら、心房細動の可能性もあります。かかりつけ医で診てもらいましょう」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2019/07/19 06:00)
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