心房細動〔しんぼうさいどう〕

 弁膜症の人やバセドウ病(甲状腺機能亢進症甲状腺機能亢進症)の人、冠動脈硬化症の人、高齢者などで、脈がまったく不規則にうつことがあります。このときは、心房の収縮が不規則に速く、ふつうの収縮をしないことから“心房細動”と呼ばれています。この速い心房の収縮は、そのすべてが心室に伝わるわけでなく、まったく不規則に伝わるので、脈が不規則になるのです。

 心房細動が急に起こると、動悸(どうき)や胸が苦しく感じることもありますが、この状態が数週間も続いていると、だんだんに慣れて、自分ではなんとも感じなくなる場合もあります。

[治療]
 治療ではレートコントロールとリズムコントロールが大切です。
■レートコントロールとリズムコントロール
 心房細動が起こった場合には、まず自覚症状を改善するため、薬を内服したり、注射をしたりして脈拍をゆっくりさせることが第一です。これをレート(心拍数)コントロールといいます。次に心房細動をもとの洞調律に戻すための薬(抗不整脈薬)を使用します。洞調律に戻れば、心房細動が再発しないように薬を継続して内服することもあります。これをリズムコントロールといいます。
 薬で心房細動が治らない場合には、静脈麻酔をして、電気的除細動器を用いて心臓に電気ショックをかけて不整脈をとめる方法もあります。高齢者や弁膜症の人で心房細動になっているときは、これらの処置で心房細動をとっても、また起こってくることが多く、不整脈そのものよりは頻脈による心不全のほうが重大ですから、心不全のおそれがあればジギタリス製剤などで脈拍を調整するようにします。
 心房細動では時に、脳卒中(脳塞栓)などの塞栓症を起こすことがあります。心房がバラバラに収縮する結果、左心房に血の塊(血栓)ができ、それが脳の血管をつまらせ脳梗塞を引き起こします。特に僧帽弁狭窄(きょうさく)症、高血圧症の人や高齢者によく起こるので、抗凝固薬(血を固まりにくくする薬)を使って予防します。従来、ワルファリンカリウムという薬を使用していましたが、新しいタイプの薬が開発され、食事制限や採血の手間がはぶけるようになりました。しかし僧帽弁狭窄症や、腎臓の機能が低下している人には使用できません。
 最近では、心房細動の根治(完全に治すこと)を目指して、カテーテル心筋焼灼(しょうしゃく)術(カテーテルアブレーション)もおこなわれます。しかし、心房細動が長い間持続している人、心臓弁膜症がある人、80歳以上の高齢者では成功率が低いため、適応にならない場合があります。
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厚労省記者クラブから

2017/03/05
2018年心房細動週間テーマ 「脈をとって、脳卒中、認知症、心不全を予防しよう!!」

公益社団法人日本脳卒中協会  一般社団法人日本不整脈心電学会