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赤ワインは健康に良いか=動脈硬化を予防

 ここ数年、ワインが第7次のブームといわれ、人気を集めている。健康づくりに役立つことが知られるようになり、スーパーなどで安くておいしいものが手に入るようになったことが、主な理由だろう。おいしいものを食べながら、グラスを傾ける機会も増える季節。ワインの実力を探ってみた。

◇フレンチパラドックス

 1992年、フランスのレヌー博士らが発表した研究結果が世界を驚かせた。バターや肉などの動物性脂肪の摂取量が多いと、心疾患による死亡率が高い。しかし、フランス人はその消費量が多いのに心疾患による死亡率は低い。その理由は赤ワインを飲んでいるから―。これが有名な「フレンチパラドックス」だ。

 1994年には、日本の国立健康・栄養研究所とサントリーが「赤ワインには動脈硬化を予防する効果がある」とする共同研究内容を発表。英国の医学誌ランセットに掲載された。

◇ポリフェノールの効能

 指摘されたのが、赤ワインに含まれるポリフェノールの影響だ。赤ワインはアントシアニンやタンニン、レスベラトロール、カテキンといったポリフェノールが豊富で、アルコールと一緒だと体に吸収されやすい。

 ポリフェノールは植物由来の抗酸化成分で、活性酸素によるコレステロールの酸化を抑える効果が期待できる。コレステロールの酸化は生活習慣病の原因とされるので、抗酸化成分の摂取は健康づくりの大切なポイントと言える。

 ポリフェノールの含有量で選ぶなら、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、ネッビオーロなどのブドウから造られる赤ワインがよいだろう。また、熟成が進んだワインほど、含有量が多いことも分かっている。

 認知症の予防にも

 ポリフェノールのレスベラトロール認知症の予防に役立つとされ、近年注目を集めている。仏ボルドー大学の研究チームは、65歳以上のおよそ3800名を対象に、アルコール性認知症アルツハイマー型認知症のリスクや死亡率との関係を3年間にわたって調査している。その結果見ると、ワインを毎日3~4杯飲んでいる人は、飲んでいない人に比べ、認知症の発症リスクは約5分の1、アルツハイマー型認知賞のリスクは4分の1、死亡率は約30%低いことが判明したという。ちなみにレスベラトロールは、ピノ・ノワールというぶどうを使ったワインに最も多く含まれている。

 ◇口内環境に注意

 赤ワインに健康に良い成分が含まれているなら、どんどん飲もうと言いたいところだが、気をつけるべき点もある。ポリフェノールは、時間をかけて歯の表面に蓄積されて、着色汚れ(ステイン)の原因となる。予防するためには、ワインを飲んだ後は水で口をゆすいで歯に付着した成分を洗い流すようにしたい。飲んだ後、そのままにしておくのは避けたい。

飲用後の歯磨きは必須だが、飲用直後に磨くのは禁物だ。ワインを飲むと口の中が酸性になって、歯の表面のエナメル質がもろくなっている。この状態で歯ブラシでゴシゴシこするとエナメル質が酸で溶ける酸蝕歯になる恐れがあるからだ。10〜15分程度時間を空け、水で口をゆすいでから、できれば柔らかめのブラシで磨くのがお勧めだ。

 当たり前だが、ワインもアルコール飲料である以上、飲み過ぎは体に良くない。(ソーシャライズ社提供)

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