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子どもが睡眠中に突然起き上がって泣き叫ぶ症状は「夜驚症」と呼ばれ、激しくおびえる様子に戸惑う親は少なくない。家族はどう対応すればよいか、子どもの睡眠に詳しい東京ベイ・浦安市川医療センター(千葉県浦安市)の神山潤センター長に聞いた。
なだめようとするのは逆効果。けがなどに注意しながら見守って
▽思春期に自然消失
夜驚症のほとんどは、眠りに就いた1~2時間後に起こる。昼寝でも起こることから、正式には「睡眠時驚愕(きょうがく)症」という。突然起き上がっておびえた様子で叫び声や悲鳴を上げ、周りからの刺激や声掛けに反応しないといった症状が特徴だ。
ストレス、不規則な生活、発熱などが発症のきっかけになるとされるが、神山医師は「仕組みは分かっていません。発熱などの明らかな誘因以外、気にする必要はありません」と話す。
夜驚症は5歳未満の子どもの25%に見られるという報告もある。症状は、たまにわーっと叫ぶだけのものから、毎晩のように激しく泣きわめくものまでさまざまだ。「誰にでも起こり得るもの。基本的には思春期までに自然に消失するので、ほっておいても問題ありません」。
ただし、症状が一晩に何度も見られたり、頻度が高まったりしたら、てんかんの可能性もあるため注意が必要だ。その場合は、専門の施設で脳波の検査を行うこともある。
▽経過観察や薬の処方
子どもが初めて夜驚症を起こすと、たいていの親は慌ててしまう。神山医師は「なだめようとすると逆に興奮します。症状は長くても15分。子どもがけがをしないように危険なものを遠ざけ、後は静かに見守ってください」とアドバイスする。
心配して受診する家族には、いずれ治まることを伝え、発症頻度が低ければ特に治療はせずに経過を観察することも多いという。子どもが連日泣き叫んで家族が疲れ切っている場合は、少量のベンゾジアゼピン系睡眠薬を使用することもある。
外泊などの特別な日に必ず効くような特効薬はない。しかし、「不思議ですが、お泊まり行事の日は症状を起こさないことが多いです」と神山医師。脳波の検査を受けて、てんかんでないことが分かると、症状が出なくなったケースもあるという。「子どもの成長に影響することはないので、過剰に心配せず見守ってください」と強調している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/09/19 05:00)
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