治療・予防

睡眠中の異常な行動―パラソムニア
認知症やパーキンソン病につながるケースも

 パラソムニア(睡眠時随伴症)は睡眠覚醒障害の一つで、睡眠中の異常行動を指す。寝ぼけている半覚醒の状態で、大声を出して歩き回ったり壁をたたいたり、時には隣で寝ている家族にけがを負わせてしまうこともある。睡眠総合ケアクリニック代々木(東京都渋谷区)の井上雄一理事長は「パラソムニアの中には、将来的に他の病気に発展するものもあるので、軽視は禁物です」と話す。

寝ぼけている状態で、さまざまな異常行動を取る

 ▽レム型とノンレム型

 睡眠には、深い眠りのノンレム睡眠と、脳が活動し夢を見ているレム睡眠がある。ノンレム睡眠時のパラソムニアは学童期の子どもに多い。就寝後1~3時間たつと、突然叫び声を上げておびえたり(夜驚症)、起き上がってウロウロと歩き回ったりする(夢中遊行症)。

 起こしてもはっきりとは目覚めず、「かえって暴れることがあるので、落ち着くまで見守ってください。多くは成長とともに自然と消失します」と井上理事長は説明する。

 一方、レム睡眠時に起こるパラソムニアは、レム睡眠行動障害と呼ばれ、中高年以降の男性に多い。「睡眠時間の中盤から後半に出やすく、悪夢を見ながら突然起き上がって走りだしたり、隣に寝ている家族を殴ったり蹴ったりすることもあります」と井上理事長。起こすとはっきりと目覚め、自分が置かれている状態も理解するという。

 原因は、レム睡眠中の筋肉活動を調整する中枢神経の老化や機能不全と考えられている。脳幹部の血管障害や、他の睡眠障害との合併で症状が出ることもあるという。レム睡眠行動障害は、パーキンソン病やレビー小体型認知症に発展する場合があり、治療と同時に、定期的な経過観察が必要となる。

 ▽睡眠の専門医受診を

 レム睡眠行動障害の治療には、抗てんかん薬のクロナゼパムや、ドーパミンの働きを促進する薬剤、脳の松果体から分泌されるメラトニンというホルモンが用いられる。症状を悪化させるアルコールを控え、就寝場所の周りには、ケガをしやすい物を置かないようにする。

 パラソムニアは多彩な症状を示す。金縛りやおねしょ、寝入り際に頭の中で爆発音がするなど、一見すると関係ないような症状がパラソムニアの場合もある。

 井上理事長は「パラソムニアは経験を積んだ医師の診断が望まれます。日本睡眠学会のホームページなどを参照し、睡眠の専門医がいる医療機関を受診するようにしてください」と話している。(メディカルトリビューン=時事)

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