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休日は昼まで寝る。それが習慣となっている人は少なくないだろう。しかし、意識しないうちにソーシャルジェットラグ(社会的時差ぼけ)という状態に陥っている可能性があるという。睡眠医療に詳しい秋田大学医学部付属病院(秋田市)精神科の三島和夫診療科長に聞いた。
▽寝不足+体内時計のずれ
脳には生物時計(体内時計)と呼ばれる領域があり、夜に睡眠を促すホルモンや日中に目覚めさせておくホルモンの分泌などを調節している。海外旅行で時差ぼけが生じるのは、到着地の時刻と体内時計がずれるからだ。
一方、昼夜逆転のような大きな時差ではなく、日々の社会生活で生じるのが社会的時差ぼけ。これには「睡眠不足と体内時計のずれの両方が関与しています」と三島医師は説明する。
平日に職場や学校などの始業時刻に合わせて起床する生活を送る一方で、帰宅が遅かったり、寝る前にスマートフォンなどを見たりして眠りに就くのが遅いと、睡眠不足で翌朝を迎えることになる。その上に休みの前日に夜更かしや休日の寝だめをすると、普段の体内時計との間にずれが生じる。
▽調整は「早起き」
「休日の寝だめで睡眠不足が解消され、短期的には満足感が得られるかもしれませんが、毎週の数時間の体内時計のずれが5年、10年続くと、血糖値が下がりにくくなり、血圧が上昇する恐れがあります。生活習慣病やうつ病などの発症リスクが高くなります」と警鐘を鳴らす。
自分が社会的時差ぼけになっているかを知るには、睡眠パターンをチェックするとよい。10日間ほど、眠りに就いたおおよその時刻と目覚めた時刻を記録し、平日と休日のずれが3時間を超えるなら、睡眠習慣の見直しが必要だ。
対策の一つが、体内時計がずれた分を平日の睡眠時間に少しずつ上乗せして解消すること。「その際、いざ早く寝ようと思ってもなかなか寝付けないので、早起きの方を心掛けるとよいでしょう」
例えば、寝だめしたい休日に平日の1時間遅れ程度で「早起き」し、午前中に30分~1時間、太陽光のような高照度の光に当たる。日中に眠気があれば30~40分の昼寝もよい。「こうした生活を2~3週間続けると、寝付きが良くなります」と三島医師はアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/11/30 05:00)
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