治療・予防

休日の寝だめが招く「社会的時差ぼけ」
生活習慣病などのリスクも

 平日は決まった時間に起きて学校や会社に行き、週末は寝だめで日ごろの睡眠不足を補う。このように平日と休日で睡眠のリズムが乱れることは近年、「社会的時差ぼけ(ソーシャル・ジェットラグ)」と呼ばれ、体調不良や病気を招く可能性が指摘されている。社会的時差ぼけの研究と啓発に取り組む明治薬科大学(東京都清瀬市)リベラルアーツ・心理学の駒田陽子准教授に聞いた。

 ▽心身に影響も

 平日に十分睡眠時間が取れていないと、寝不足を取り戻そうと週末に寝だめをしてしまいがちだ。こうした睡眠リズムのずれは、海外旅行で生じる時差ぼけの状態を生み出しかねない。人の体内には約24時間周期で刻まれる「体内時計」が備わっており、週末の朝寝坊が体内時計を狂わせ、翌週の眠気や疲労を強めることが分かっている。

 心身への影響も決して少なくない。体内時計のリズムが乱れることで生体機能に影響を及ぼし、肥満や糖尿病、抑うつ症状やうつ病などのリスクを高めたり、女性では月経不順や月経時に不調を引き起こしたりする可能性が指摘されている。

 ▽睡眠リズムを整えるには?

 そこで、駒田准教授は三つの改善策を提唱している。まず「平日の睡眠不足を週末に取り戻すのではなく、平日に数十分ずつ早寝をすること」だ。例えば、週末に2~3時間遅く起床する人は、平日の5日間は毎日20~30分ずつ早寝をするという方法だ。

 それが難しい場合には、休日の朝も平日と同じ時間に起きて、日中に昼寝をすることを提案する。「夜の睡眠に影響を与えない範囲で、例えば午後3時までに1~2時間程度が目安」と話す。

 また、日中の屋外活動がお勧めという。「太陽光を浴びることで体内時計がリセットされ、夜に眠気をもたらすメラトニンというホルモンの分泌が促されます」と説明。駒田准教授は「つらく、苦しくならない範囲で、社会生活のリズムに合わせていくことが大切です」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)

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