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重症化する人は少なくなっているものの、55歳以上の50%超が歯周病という調査結果もあり、患者の数は減っていない。予防歯科の重要性を訴える笠島歯科室(東京都豊島区)の笠島生也室長は「虫歯や歯周病を防ぐには、自分の口腔内の状態を知ること、トラブルがなくても歯医者に行って相談することが大事です」と強調する。
歯のトラブルがない時も、歯科を受診し相談することが大事
▽メンテと正しい歯磨き
予防歯科の「予防」には、虫歯や歯周病など口腔内の病気の予防と治療後の再発予防の二つの意味がある。第一歩は自分の口の中の状態を知ることだ。例えば、治療の際には口腔内の写真を見ながら歯科医師や歯科衛生士の説明を受けるとよい。「歯科医師に、口腔内写真の撮影を依頼してみてください」と笠島室長。
治療後は、虫歯や歯周病を再発させず口腔内の健康を維持するため、通院してメンテナンスを行う。しかし、国内では治療後にメンテナンスを受ける人の割合が10%未満と、欧米の約70%に比べてかなり低く、治療と同じくらい重要なメンテナンスが軽視されている。
また、口腔内の健康維持には、歯科医院通院だけではなく、自身の歯磨きも必要。歯と歯の間、歯と歯茎の間などを重点的に磨くことだ。
自分の歯を失ってからも、入れ歯やブリッジにはそれぞれの正しい磨き方、メンテナンスがある。入れ歯は磨かないとカビが繁殖するため、正しい磨き方や手入れの方法を知っておきたい。自分にとっての正しい磨き方を歯科医師に習い、それを続けることが必要だ。
▽健康づくりの一環
笠島室長によると、口腔内の健康を守るために心掛けたいのは〔1〕運動〔2〕睡眠〔3〕栄養(食生活)〔4〕心の健康〔5〕生きる意欲の維持―。「これらを実行している人ほど口腔内の健康状態が良好です。予防歯科は全身の健康づくりの一環なのです」
高齢になると他の病気を抱えることが多く、口腔内は二の次になりがちだが、口は食べ物や空気の入り口として重要な部分。飲んでいる薬や唾液の質によっても口腔内の状態が変わる。笠島室長は「高齢の方は特に、トラブルの自覚がなくても歯科を受診しましょう」と呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/12/06 05:00)
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