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健康な女性の体は、周期的に妊娠の準備が行われ、妊娠が無かったときは、不要になった子宮内膜が血液と一緒に排出され月経となる。「月経困難症」は、ひどい月経痛のため学校や仕事を休まなければならないなど、日常生活に支障を来す状態を指す。飯田橋レディースクリニック(東京都千代田区)の岡野浩哉院長は「月経困難症を治療せずに痛み止めだけを飲んでいると、将来妊娠しづらい体になる恐れがあります」と警鐘を鳴らす。
月経困難症には、特定の病気が無い「機能性月経困難症」と、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気がベースにある「器質性月経困難症」の2種類がある。機能性は中学生や高校生といった若い世代に多く、年齢が上がるにつれ器質性が増えてくる。症状には個人差があるが、月経時の下腹部痛や腰痛がひどく、頭痛や嘔吐(おうと)を伴い、痛みのため失神する人もいるという。
「強い痛みは、子宮内膜で多量につくられるプロスタグランジンと呼ばれる物質が、子宮を過度に収縮させて子宮内の血流を阻害したり、子宮が未成熟で子宮頸管(けいかん)が狭くて月経血の排出がうまくできなかったりすることが原因です」と岡野院長は説明する。
加えて「機能性月経困難症を放置していると、いつの間にか子宮内膜症などによる器質性月経困難症に移行してしまうケースが多数あります」と注意を促す。実際、機能性月経困難症があると、子宮内膜症になるリスクは2.6倍にもなることが報告されている。
(2017/06/23 13:58)
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