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二の腕や背中、臀部(でんぶ)などの皮膚がさめ肌やおろし器のような状態になる毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は、思春期によく見られる皮膚の病気だ。虎の門病院(東京都港区)皮膚科の林伸和部長は「思春期を過ぎると自然に消失していきますが、気になるようなら受診を検討してください」と呼び掛ける。
毛穴が詰まり、皮膚表面が数ミリ大に盛り上がる
▽にきびと誤診も
毛孔性苔癬は、毛穴が詰まることで皮膚の表面が1~3ミリほど盛り上がり、触るとやや硬くてざらざらした感触がある。顕微鏡で見ると、毛穴には角化物がたまっていて、中に小さな毛が見られることもある。根本的な原因は明らかではないが、林部長は「毛が伸びる時の刺激で角化異常が起きるのかもしれません」と説明する。
軽いものを含めると、10代の30~40%に見られる。多くは小児期に発症し、思春期になると角化が強くなり、ざらざら感が増す。少し赤みを帯び、軽いかゆみが生じることもある。そのため、症状が似ているにきびと誤診されてしまうことがあるという。20代以降になると皮疹のざらざら感は次第に軽くなり、皮膚は褐色になっていく。
▽治療は気長に
皮疹が気になる場合は、サリチル酸や尿素など角質融解作用のある成分を含む塗布剤で治療を行う。治療開始から2~3カ月経過すると、ざらざら感は少しずつ改善し、さらに継続すれば皮疹の色も薄くなることが多いという。「1週間程度で効果が表れないと治療を諦めてしまう人が少なくありません。気長に続けることが大切です」と林部長は強調する。
受診先は、にきびなど毛孔性苔癬に似た皮膚病を的確に診断できる皮膚科専門医(日本皮膚科学会のHPで検索できる)が安心だ。美容皮膚科では、保険外診療でケミカルピーリングやレーザー脱毛などの治療も行っている。
ケミカルピーリングは化学薬品を塗り皮疹を剥がす治療法だ。林部長は「保険外診療を受ける場合は十分に説明を聞き、費用対効果を考えた上で判断することをお勧めします」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/05/21 05:00)
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