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全国各地で猛暑日が続き、38度など通常の体温を超える報告も相次いでいる。これら気象庁などが発表する気温は風通しが良く、地上からの照り返しの少ない場所で測定しているため、自宅内や街頭はより高温になっていることが少なくない。しかも都市化の進展と共に増加したアスファルトやコンクリートは昼間に吸収した熱を夜間に放出するため、夜間も気が抜けない状態になっている。
連続猛暑日の東京
◇エアコン「つけっ放しで」
「猛暑日が続くような状態で増えるのが、夜間・屋内での熱中症。建物にこもっていた熱に加えて、睡眠中に水分補給ができないことで脱水症状に陥りやすくなるからだ。高齢者だけでなく、乳幼児にも注意が必要な状況になっている」。熱中症に詳しい済生会横浜市東部病院の谷口英喜医師は、注意点をこう整理する。
その上で、夜間の室温が下がりにくい上に早朝の気温上昇も加わることから、「エアコンはタイマーを使わず、つけっ放しにするしかない。このような猛暑が続けば、熱が蓄積されていって夜の気温低下の幅も小さくなる。エアコンの使用は生存に欠かせないもので、使用による電気料金については公的な負担軽減策も必要な、『災害級』の状態にいると考えてもらいたい」と訴えている。
◇就寝中の水分補給徹底を
猛暑による疲れを癒やすためにも、十分に部屋を冷やした上で睡眠を取る必要がある。ただ、エアコンのおかげで汗をかいていないように感じても、水分は確実に放出される。
「就寝前と起床直後だけでなく、就寝中もトイレに行く際などに定期的に水分を摂取することが必要。調子が悪いときは、午前2時ごろに目覚ましをセットしてでも水分補給をしてほしい」と谷口医師。その際に摂取するのは水や利尿作用のあるカフェインを含まない麦茶などが望ましく、一回に100mlでも良いから水分補給をしてほしいという。
◇乳幼児も要警戒
「夜間の熱中症というと高齢者の問題と受け取る人が多いが、自身の体調不良を伝えられない乳幼児も同様の警戒が必要。機嫌が悪くなったり、ぐったりしたりするようなら、すぐに病院へ搬送した方が良い」と谷口医師は注意を喚起している。
幼児の場合はトイレの問題もあって、就寝前の水分補給を控えるケースがあるが、谷口医師は「この時期だけは、親も一緒に午前2時ごろに一度起きて水分補給とトイレを済ますくらいの対策は必要。保護者は子どもさんの様子をよく注意して見てもらいたい」と話している。(喜多壮太郎)
(2022/08/02 11:00)
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