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春を迎え新しい職場や学校でストレスを感じても、多くの場合はスポーツや音楽など自分なりの解消法で対処できる。しかし心身の不調をそのままためてしまい、中には症状を悪化させる人もいる。うつ病を発症すると治りにくくなる場合もあるので要注意だ。
環境の変化は、精神的にも身体的にも大きな負担。一定程度の緊張感は悪くはないが、ストレスになるのも確かだ。状況に適切に対処できないと、不安や憂鬱(ゆううつ)な気分、身体の不調などの適応障害の症状を示す。
杏林大学医学部精神神経科教授、渡邊衡一郎医師によると、適応障害は失恋や身近な人の死などでも見られるが、通常は一過性で、十分な休養を取りストレス要因を排除すれば症状は治まるという。しかし我慢して無理をし続けると、うつ病や他の病気に移行することもある。
◇うつ病の基準
では、適応障害とうつ病はどう区別されるのだろうか。
2016年に改訂された日本うつ病学会治療ガイドラインでは、国際的な診断基準「DSM―5」を採用している。特徴的な九つの症状(抑うつ気分、快楽喪失、食欲不振、不眠、精神運動制止、疲労感、無価値感、集中力の減退、自殺願望)を挙げ、医師の問診によって五つ以上の症状が2週間以上続くと、うつ病と診断される。
抑うつ症状があっても、一時的だったり気分転換で治まったりするようであれば、適応障害であり、うつ病とは診断されない。
(2017/04/21 16:04)
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