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総合感冒薬などの風邪薬は眠気を起こしたりするため服用をちゅうちょする人もいる。そこで副作用が少ないとされる漢方薬を気軽に飲む人もいるが、注意が必要だ。東京医科大学病院総合診療科・漢方医学センターの及川哲郎教授に風邪に効く漢方薬の選び方を聞いた。
風邪の代表的な漢方薬
◇30~40種類
風邪症候群(いわゆる風邪)は主にウイルス感染による上気道の急性炎症の総称で、くしゃみ、鼻水、喉の痛み、せき、発熱、頭痛などのさまざまな症状が表れる。
「熱があって頭痛がするときは解熱鎮痛薬、せきが気になるときはせき止め、諸症状には合剤(総合感冒薬)といったように、対症療法的な使い方をする西洋医薬に対して、その人の病気に対する抵抗力、風邪の状態や進行の程度に応じて使い分けるのが漢方薬です」
西洋医薬の多くは副作用で眠くなったり、胃が荒れたりするが、漢方薬は副作用が比較的少ない点が特徴という。
及川教授によると、風邪に処方する漢方薬はエキス製剤だけでも30~40種類ある。代表的な漢方薬には、体力がある人向きの葛根湯(かっこんとう)、麻黄湯(まおうとう)、体力の無い人向きの香蘇散(こうそさん)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)、桂枝湯(けいしとう)、体力に関係なく使える麦門冬湯(ばくもんどうとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などがある。
◇食前に服用を
例えば、風邪の引き始めで悪寒、頭痛があるようなときには、葛根湯は1~2日服用して治すので短期決戦に強い。風邪がこじれた場合は、体力を回復させる麦門冬湯や補中益気湯の出番だ。
漢方薬には抗ウイルス薬のようにウイルスを直接抑え込む作用は無いが、体を温めることによってウイルスを死滅させる効果がある。インフルエンザに使われる麻黄湯はタミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬と比べても遜色ないとの報告もあるという。
薬剤名に「湯」が付く漢方薬はもともと煎じ薬で、フリーズドライされたのがエキス製剤だ。及川教授は「風邪の引き始めで寒けがするようなときはお湯で溶いて飲むとより効果的です。漢方薬は消化・吸収されやすいので食前に服用を」とアドバイスしている。
風邪で漢方薬の処方を希望する場合は日本東洋医学会の漢方専門医のいる漢方内科(https://www.jsom.or.jp/jsom_splist/listTop.do)などに受診を。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/04/20 05:00)
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