治療・予防 2024/11/22 05:00
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妊娠中の喫煙は、低出生体重、早産などのさまざまな悪影響をもたらす。東北大学病院(仙台市)産婦人科の岩間憲之講師らの最近の研究によると、母子の命を脅かすこともある妊娠高血圧症候群の発症リスクは、受動喫煙でも高まることが分かった。
妊娠中の受動喫煙と妊娠高血圧症候群になるリスク
◇4割が受動喫煙
岩間講師らの研究グループは、子どもの健康と環境に関する全国調査のデータを分析し、妊婦の喫煙状況を調べた。その結果、喫煙しない妊婦約4万5千人の40%で受動喫煙があった。その頻度は週1~3日が24%、週4日以上が16%だった。
喫煙の影響について、岩間講師は「おなかの中で胎児と母体をつなぐ胎盤が、出産前に子宮壁から剥がれてしまう『常位胎盤早期剥離』や早産のリスクを高めます。胎児の発育不全や体重が小さく生まれるリスクも高まると考えられています」と説明する。
◇受動喫煙の影響
妊娠高血圧症候群は妊娠20週から出産12週までの間に高血圧となる疾患で、高血圧とともに腎臓などの臓器障害が発生することがある。岩間講師は2019年に同症候群と喫煙の関係について分析し、「妊婦の1日の能動喫煙本数が1本増えるごとに妊娠高血圧症候群のリスクが1.02倍ずつ上昇し、1日11本以上だと、吸わない妊婦の1.5倍になった」と発表している。
今回の研究によると、妊婦の受動喫煙の頻度が増すほど、妊娠高血圧症候群の発症リスクが上がり、週4~7日では受動喫煙のない妊婦の1.18倍高かった。社会全体で見ると、本人の喫煙より受動喫煙による影響が大きいとの結果を得られた。
「妊婦自身の喫煙対策だけでなく、妊娠の可能性がある女性が受動喫煙にさらされることがないように配慮する必要があります」と岩間講師は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/09/01 05:00)
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