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病気の子どもを介助するための「子ども用車椅子」。一般的なベビーカーと見た目は似ており、普段見掛けることが少ないためか、ベビーカーと誤解されることもある。市立ひらかた病院(大阪府枚方市)小児科の谷口昌志部長に、子ども用車椅子の用途や実情について話を聞いた。
子ども用車椅子のマーク
◇移動に不可欠
子ども用車椅子を使っている子どもは、病気で姿勢の保持ができなかったり、てんかんがあって筋肉が硬直したりする。人工呼吸器を付けていたり、おなかに開けた穴にチューブを通し、直接胃に食べ物を流し込む「胃ろう」の器具を車椅子に備えていたりすることもある。谷口部長は「生きるために、生活に不可欠なものとして使っているのです」と説明する。
1~4歳児用の車椅子は、ベビーカーと勘違いされることも多い。医療機器を積んで移動できるよう車体は頑丈に作られており、軽くて6~7キロ、重い物は数十キロを超える。電車やバスで、「折り畳んで」と介助者に言われても、簡単にできるものではない。
「子どもを歩かせないと足が弱くなるよ」と注意されることもあり、介助する親にはストレスになる。「車椅子OK」と表示された店であっても、車椅子を畳むよう求められ、入店できないこともあるという。
◇ヘルプマークの普及を
このような誤解を解くために、乳児が車椅子に乗っているイラストを使ったヘルプマークがある。「子ども用車椅子を見掛けたら、ヘルプマークがあるかぜひ確認してみてください。手助けが必要な様子であれば、『何かお手伝いしましょうか』と声を掛けるのもいいでしょう。お互いが気遣い合う優しい社会になってほしいです」と谷口部長。
ヘルプマークを付けることで認知度が上がってきたが、まだ十分とはいえない。「車椅子を必要とする子どもがいることを、もっと多くの人に知っていただきたい」(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/10/01 05:00)
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