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夜、十分に眠ったはずなのに日中に強い眠気に襲われ眠ってしまい、学業や社会生活に支障を来す。そのような状態が3カ月以上続く病気が「特発性過眠症」だ。長崎大学病院(長崎市)総合診療科で睡眠・覚醒障害外来を担当する近藤英明医師は「子どもから高齢者まで、幅広い年齢層の患者がいます」と話す。
特発性過眠症
◇朝もつらい
近藤医師によると、特発性過眠症の患者は1日11時間以上眠っていることが珍しくない。「それでも、朝なかなか起きられず、日中に居眠りをしてしまいます。仮に1時間昼寝したとしても、爽快感がないのです」
病気の原因ははっきりしない。「病院を受診するのは中学生以上が多いです。子どもの頃から『よく寝る子』だったという話をよく聞きます。成長とともに勉強などで睡眠時間の確保が困難になると、日中の眠気で生活に支障を来します」
一方、患者が高齢になると寝つきが悪いなどの不眠症状が表れることがある。それも睡眠時間の確保を困難にするため、日中の眠気が強まる可能性がある。
◇薬と睡眠習慣で
覚醒を維持する働きがある薬を朝飲むと、「日中は起きていられ、夜間の睡眠は確保できることが多い」。薬とともに重要なのは、適切な睡眠の習慣だ。
「学生は夜遅くまで勉強せざるを得なかったり、スマートフォンで友だちとやりとりをしたりします。現代人は『自由に眠れない社会環境』にあると言えます。その中で、自分に適した睡眠時間がどれくらいか、いかに睡眠を確保するかを意識するよう患者にアドバイスします」
自分に適した睡眠時間とは、目覚まし時計で「起こされる」のではなく、自然に目が覚め、日中に眠気がなく活動できるような長さという。ただし、日中支障はなくても、休日の睡眠時間が平日より極端に長い場合は、潜在的に睡眠不足の可能性がある。
「睡眠時間が確保されているにもかかわらず、日中の居眠りや、起床するのが困難であれば、睡眠医療を専門とする医療機関を受診するとよいでしょう。かかりつけ医に相談し、専門医を紹介してもらうのも一つの方法です」と近藤医師は助言する。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/07/23 05:00)
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