過眠症〔かみんしょう〕 家庭の医学

 日中の眠気が強く夜間の睡眠の状態もわるいことがよくあります。

■ナルコレプシー
 居眠り病ともいわれます。日中に急に強い眠気に襲われる(睡眠発作)、びっくりしたときなどに全身の力が抜けてしまう(情動脱力発作)、寝つこうとするときに幻を見たり金縛りにあったりする(入眠時幻覚、睡眠まひ)という特徴的な症状があります。睡眠発作は当人も気づかないほどの短時間のこともあります。脳波、血液検査、髄液検査により診断を確かめます。
 けっして多い病気ではありませんが、よく寝るとか怠けているといった偏見の目でみられることがあるので注意が必要です。
 治療は精神刺激薬や抗うつ薬による薬物療法をおこないます。

■周期性傾眠症
 若い男性に多くみられ、クライネ・レビン症候群とも呼ばれます。強い眠気が周期的に襲ってきます。数日間はもうろうとした状態で過ごし、その間は過食になることが多いようです。また気分が落ち込んだりする状態になることもあります。治療は薬物療法が適応され、カルバマゼピン、バルプロ酸、炭酸リチウムなどが使われます。

(執筆・監修:高知大学 名誉教授/社会医療法人北斗会 さわ病院 精神科 井上 新平)
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