治療・予防 2024/11/22 05:00
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実際は聞こえていないのに不快な音がすると感じる「耳鳴り」。多くは難聴に伴う症状で、長く続けばうつ病や不眠症などの合併症が起きることもある。国立病院機構東京医療センター(東京都目黒区)聴覚障害研究室の神崎晶室長に症状や治療法について聞いた。
耳鳴り
◇カウンセリングで
耳鳴りが好発する年齢は60~70代。原因の一つである難聴は、外部から音を伝える仕組みに何らかの異常が起こり、音が聞こえにくくなる病気。音の情報が伝わらないため脳が音を補おうとし、本来ないはずの音を作り出し、耳鳴りが生じる。突然耳が聞こえなくなる突発性難聴、ストレスなどが原因の場合もある。
「ヘッドホンで音楽を大音量で聴く習慣があると、若年層でも耳鳴りのリスクは高まります。1時間ごとに休憩することが必要です」
治療の基本は、医師によるカウンセリング。「患者が耳鳴りの仕組みや効果的な治療について説明を受けると、不安や疑問が解消され、音が気にならなくなるケースもあります」
◇質の良い睡眠を
耳鳴りが3カ月以上続く場合は、補聴器や耳に装着して人工的に音を発生させる機器「サウンドジェネレーター」を使い、耳鳴りの音に順応するよう脳を訓練する音響療法「耳鳴り順応療法」を行う。
同療法は半年から1年続ける必要があるが、「特別な機器を使わなくても、川の流れや波の音、クラシック音楽などを聞くだけでも治療になります」。
ただし、音響療法を始める前に、まず良質な睡眠を取ることが重要だ。重症の耳鳴り患者の大半は睡眠が不十分で、夜中に何度も覚醒する人も多い。脳神経全体が休まないと耳の神経も興奮していることが多く、耳鳴りがするからだ。症状が強く、不眠症やうつ症状がある場合は抗うつ薬などが処方される。
まれだが、脳腫瘍など脳の病気に伴う耳鳴りもある。「過度な心配は不要ですが、他の病気が隠れていないか早めの検査をお勧めします」と神崎室長は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/08/23 05:00)
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