インタビュー

海外旅行の感染症に注意=事前に情報収集を-吉田正樹医師

 海外へ旅行する機会が増える夏休み。旅行先で感染症にかかり、帰国後に専門の医療機関を受診する人は7~9月に多い。国や地域によって流行する感染症は異なる。どのような心構えをすればよいか、東京慈恵会医科大付属病院(東京都港区)感染制御部診療副部長の吉田正樹教授に聞いた。

 ◇外務、厚労両省のHPでチェック

 「北米や欧州、アジア、アフリカ、中東などそれぞれの国で流行している感染症がある。行く国でかかりやすい病気は何か。衛生状態はどうか。病気にかかった時に、受診できる病院はあるか。出発前に調べておくことが基本だ」

 情報源として吉田教授が勧めるのが、外務省の海外安全ホームページ(HP)や厚生労働省の検疫所ホームページ「FORTH」だ。特に現地の公館に駐在する医官(医師)からの報告は、医師の視点から書かれているだけに情報が具体的であり、目を通しておきたい。「首都と地方、有名なリゾート地など異なった環境ごとにどのような病気が流行していて、治療に当たる医療機関の水準はどの程度かなど、詳しく紹介されている」と吉田教授は話す。

 感染症によっては、国内でワクチンの予防接種を受けていた方がよいものもある。ただ、ワクチンは接種後、一定期間を過ぎないと免疫の効果が生じないため、出発の1カ月前までには接種を受けるようにしたい。その点を踏まえ、「出発の1カ月半前には、情報収集をするように」とアドバイスする。

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