Dr.純子のメディカルサロン

この春の不調、どう乗り切る? ~毎日を快適に過ごすために~

 雪の日の翌日は春の陽気、毎日の気温の変化が激しくてびっくりします。「疲れるなあ」という声を聞くことも。あなたはいかがでしょう。体調管理が難しいこの春の乗り切り方を考えます。

(文 海原純子)

 ◇身体的要因

 ・気温と気圧変化

 激しい環境変化に適応して体温調節を行うため、自律神経が活発に作動して疲労感を感じます。

 ・日照時間の変化

 日が沈むのが遅くなり夜遅くまで活動するようになり、生活リズムが変化しやすくなり睡眠のバランスが崩れやすくなります。

 ・花粉の影響

 花粉症でない方も目がかゆかったり、ほこりっぽさを感じてくしゃみが出やすくなったりすることがあります。

 ◇メンタル的要因

 ・ライフイベントの変化

 入学や入社、人事異動、また引っ越しなどもこの季節に多く、ライフイベントの変化によるストレスが増加します。新しい環境に対する不安が起こりやすくなり、環境の変化による人間関係の変化もストレス要因となります。

 ・業務量の変化

 棚卸しや決算など年度末に伴う業務が増えて精神的なプレッシャーが増加しがちになります。

睡眠の質を高め睡眠時間を確保することが自律神経の疲労を軽減する(イメージ)

 ◇予防対策

 ・睡眠の質を確保する

 睡眠の質を高め、睡眠時間を確保することが自律神経の疲労を軽減します。

 毎日しっかり睡眠時間を確保できればいいのですが、毎日は無理で仕事が忙しいという方も、週に何日かは曜日を決めて「睡眠確保の日」をつくってはいかがでしょう。 

 ・遮光性のカーテン

 この時期は日が昇るのが早くなります。もう少し寝ていたい、と思っても部屋に朝日が入ると起きてしまうことも。遮光性のカーテンなど部屋の環境にも注意が必要です。

 ・寝る前のスマホ・PCをやめる

 寝る前せめて1時間はスマホなどブルーライトを浴びないようにすることが必要です。ブルーライトは覚醒作用があるので睡眠の質を低下させます。どうしても見る場合はブルーライトカット40%の眼鏡をかけてはどうでしょう。

 ・ストレッチとマッサージ

 ストレッチで身体を温めて足の裏をマッサージすると睡眠に入りやすくなります。

 ・目の周りを温める

 デスクワークでPCを長時間使う方は、夜寝る前に蒸しタオルや蒸気アイマスクなどで目の周りの眼輪筋を温めるとリラックスして入眠しやすくなります。眼精疲労の軽減にもなります。

 ・温かい飲み物を飲む

 ハーブティーやスープなど温かい飲み物を飲むとリラックスして副交感神経が優位になり、眠りに入りやすくなります。ラベンダーやカモマイル、レモングラスのハーブティーなどが使われます。

 ・衣服で温度調節する

 気温の変化に備えて重ね着ができるインナーや薄手のセーター、首の周りに巻く薄手のマフラーなどが役立ちます。戸外から暑い部屋に入ったり、社内の暖房が暑かったりで、首の周りに汗をかいた時、その汗が冷えたりして風邪を引きやすくなります。急激な温度変化による汗には要注意です。首回りに汗をかいた時はすぐに拭き取ったり、首回りが冷えないようにしたりする対策も必要です。

 ・粘膜を保護して花粉対策

 春は突風も吹き、花粉やほこりで目がかゆくなったり、くしゃみがひどくなったりします。

 鼻や目の粘膜の不調は生活の質を低下させることで精神的にもイライラするものです。

 花粉症でなくても目や鼻の粘膜に付くとかゆみが出ますから、この時期は外出するときはマスクを着けることが予防になります。そして帰宅したらまず顔と手を洗うことが大事です。

 花粉症ではないのに目や鼻がむずかゆいという悩みを持つ方は鼻を生理食塩水で洗うなどもいいでしょう。上咽頭を洗浄するミサトールリノローションも役立つことがあります。

 鼻の粘膜が乾燥していると花粉などが付着しやすいので鼻用のジェルで粘膜を保護することも対策になります。

 私は、目に関しては、防腐剤の入らない涙とほぼ同じ成分の目薬をほこりなどを洗い流す感じで差すようにしています。

 ・身体に働き掛けて心を活性化する

 ライフイベントのストレスによる不安が起こりやすい時期は身体に働き掛けて心の活気をアップすることが必要です。短い時間しか取れなくても少し速い速度で散歩するなど身体を動かすことで気持ちが変化します。(了)


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