治療・予防

子どもにもある高血圧
早期にコントロールを

 高血圧と聞くと中高年を思い浮かべがちだが、子どもにもある。成人と同じように肥満や塩分の取り過ぎの他、別の病気や薬が原因で起こることもある。日本大学医学部付属板橋病院(東京都板橋区)小児・新生児病科の高橋昌里教授は「小児の高血圧は成人の高血圧に移行することが多いので、早いうちに血圧をコントロールする必要があります」と強調する。

 低出生体重児は注意

家族で取り組む減塩生活

 高血圧には、原因のはっきりしない「本態性高血圧」と、他の病気や薬の副作用で起こる「二次性高血圧」がある。本態性高血圧は、子どもの0.5~1%に見つかるといわれている。子どもが肥満であるとか、家族に高血圧の人がいるという場合が多く、動脈硬化や心臓の病気を引き起こすリスクが高い。

 高橋教授は「大半が無症状で、ほっておくと高頻度で成人の高血圧に移行します」と忠告する。また、低出生体重児の中には血液をろ過するフィルターの役割を果たす腎臓の糸球体の数が通常より少ない子どもがいて、肥満があると糸球体に過剰な負担がかかり、高血圧になりやすいという。

 治療の対象となる子どもの高血圧の大半は二次性高血圧だ。原因となる病気には、急性腎炎症候群をはじめとした腎臓の病気や、腎臓に血液を送る血管が狭くなる腎動脈狭窄(きょうさく)症などがあり、これらを治療することで血圧をコントロールする。また、ステロイドなど血圧を上げてしまう薬を長期で使う場合には、あらかじめ血圧をコントロールする薬が処方されることもある。

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