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温泉地などで見かける「足湯」は、足を浸すだけで体が温まり、手軽なことから人気がある。バケツやたらいを用意すれば自宅でも楽しめる。奈良女子大学(奈良市)生活環境学部の久保博子教授は「足浴は日常の疲れを取り、通常の入浴と同じようなリラックス効果を得ることができます」と話す。
▽副交感神経優位に
15~20分ほどで全身がぽかぽかに
足浴は通常の入浴と同様、38~42度の湯を使って、15~20分ほど足を浸す。途中で湯温が下がるので、別に少し熱めの湯を用意しておき、つぎ足しながら行う。湯はくるぶしあたりの深さでもよいが、ふくらはぎが浸るようにするとより効果的だという。
「お湯に浸している部分だけでなく、半身浴のように全身の血管が拡張して血行が促進され、全身がぽかぽかと温まるのが分かります。緊張を和らげる副交感神経の働きが優位になり体温が上昇し、筋肉がほぐれリラックス効果が生まれます」と久保教授は説明する。
▽心臓に優しい
血液の循環がよくなると、主に足先の冷え、長時間のデスクワークや立ち仕事による脚の疲れ、ふくらはぎのむくみや張りなどが改善される。また、寝付きもよくなる。
足浴は、寒い冬や入浴が面倒と思うようなときでも、服を着たまま部屋で手軽にできる。全身浴とは違い水圧の影響を受けにくいために心臓への負担が少なく、血管が拡張することで血圧も下がる。久保教授は「暖かい部屋から、脱衣所やまだ暖まっていない浴室などの冷えた場所に移り、その後に熱い湯に入ると、血圧が乱高下する『ヒートショック』を起こす心配があります。足浴ならこのような心配がないので、高血圧症や心疾患を持つ人、高齢者にも勧められます」と話す。
ただし、湯温が高過ぎたり、足を浸す時間が長過ぎたりすると、のぼせることもある。また、久保教授は「足浴は体温変化や副交感神経の働きにより眠気を誘います。気持ちいいからと昼寝をし過ぎると夜の睡眠に悪影響を及ぼすので注意してください」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/12/10 06:00)
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